2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21500093
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Research Institution | Saitama University |
Principal Investigator |
大沢 裕 Saitama University, 理工学研究科, 教授 (50152111)
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Keywords | 移動体 / 実時間モニタリング / 位置予測 / LBS / ITS / よく通るルート / プローブカー / スケーラビリティー |
Research Abstract |
本研究の目的は,移動体の位置を正確に,かつ高いスケーラビリティーで捕捉する方式の開発にある.基本的な考え方は,サーバと移動体が同じアルゴリズムで位置予測を行い,移動体がGPSによりえた現在位置と予測位置との誤差がある閾値を越えたとき,通信により双方の同期を取るものである.従来は,移動体の位置予測に推測航法(dead-reckoning)を用いたり,予測は用いずに一定距離,または一定時間間隔で移動体がサーバに位置を送信するものが主流であった.本研究では,位置予測を精度高く行なうため,個々の移動体の過去の移動履歴を収集し,そこから良く通るルート情報を抽出する.その良く通るルート情報をサーバと移動体が共有し,それをベースに近未来位置を予測する点に特徴がある. この方式を実際の移動体モニタリングに適用する場合,移動体が道路ネットワークの情報を有するか否かにより2つに大別できる.共に,移動体はGPS受信機と通信機能,及び若干のメモリと演算機能を備えるものとする.このベーシックなモデルをシン(thin)クライアントと呼び,それに加えて道路ネットワーク地図を有するモデルをリッチ(rich)クライアントと呼ぶことにする.本年度は,リッチクライアントモデルをベースに研究した. 過去1年数ヶ月間かけて取得した車の移動経路から良く通るルート情報を抽出した.それを用いて車の移動をモニタリングした結果,従来方式(dead-reckoning:推測航法)に比して大幅な通信量の削減が図れることを確認した. 今後は,道路地図を移動体が持たないシンクライアントを対象にして,方式を改良する.
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