2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21500093
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Research Institution | Saitama University |
Principal Investigator |
大沢 裕 埼玉大学, 理工学研究科, 教授 (50152111)
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Keywords | 地理情報システム / 高度交通システム / 移動体追跡 / LBS / 空間データベース / 最短路探索 / 旅行計画 |
Research Abstract |
本年度は,最終年度であり,移動体の位置に応じて提供する位置に関連した情報サービス(LBS)の効率化に関する研究を行った.具体的には,(1)移動体の現在位置から道路網距離で近接するk個(任意個)のPOI(LBSで検索対象とする施設)の検索方式,(2)複数の移動体から与えられた集約関数の下に最適なPOIを探索するANN(aggregate nearest neighbor)検索方式,(3)移動体の現在地から最終目的地に達するまでに指定された種類のPOIを経由する際の最短路を求める旅行計画,である.(1)と(2)の為には,複数の目的地を設定可能なA*アルゴリズム(SSMTA*:single source multi-target A*)を開発した.このアルゴリズムは,従来同様な目的で提案されたLBC-KNNアルゴリズムと比べたとき,1つのプライオリティーキューで探索を制御できるという特徴を持つ.この性質により,現在位置とPOI間の距離が大きい時に大幅な処理時間の短縮が達成できている.SSMATA*アルゴリズムが多数の目的地への最短路を並列的に求めることができる性質を適用して,道路網距離でのANN検索アルゴリズムを複数提案した.(3)の目的では,ユークリッド距離での経路を,距離が短いものから順に検索する方式を開発した.このアルゴリズムでは,インクリメンタルな旅行経路の探索が可能になる.それにより,ユークリッド距離で候補を生成し,それを道路網距離で検証して,最短無経路を準に求めることが可能になった.従来提案されて来た検索方式では,このインクリメンタル検索が不可能であり,この研究により最初に提案されたものである.この方式を用いることにより,道路網距離での旅行計画路を従来方式に比して大幅に短い時間で求めることが可能になった.
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