2009 Fiscal Year Annual Research Report
マルチコア・プロセッサによるリアルタイム電子ホログラフィの研究
Project/Area Number |
21500094
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
伊藤 智義 Chiba University, 大学院・工学研究科, 教授 (20241862)
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Keywords | 計算機システム / ハイパフォーマンス・コンピューティング / ディスプレイ / ホログラフィ |
Research Abstract |
ホログラフィは3次元波面を忠実に記録・再生できる技術であり,電子ホログラフィは究極の立体テレビになり得るものと考えられている.しかし,膨大な情報量を処理しなければならず,実用化が困難な状況にある.一方,コンピュータのプロセッサは,近年,並列化が進んでいる.電子ホログラフィのアルゴリズムは並列処理に向いており,マルチコア・プロセッサが実用化に向けて有効かどうかを検証することが本研究課題の目的である.マルチコア・プロセッサの特長は内部に複数(多数)の演算素子を持っていることである.代表的なものとして,コンピュータのビデオカードに搭載されているグラフィックス・プロセッサGPUや,ゲーム機のプレイステーション3にも使われているCellなどがある.これに加えて,東京工業大学のスーパーコンピュータTSUBAMEに搭載されたClearSpeedアクセラレータの3種類について検証を行った。それぞれにホログラム生成のアルゴリズムを実装したところ,ClearSpeedアクセラレータ,Cell, GPUともに汎用のCPUに比べて高速化することを確認した.特にGPUは,約1,000倍の高速化を達成し,電子ホログラフィシステムに非常に有効であることを示した.この結果をもとに,GPUを計算に用い,再生光学系にプロジェクタを利用した簡易で安価なカラー電子ホログラフィシステムを構築したところ,リアルタイムのカラー3次元動画像再生に成功した.この成果は米国光学会(OSA)のOptics Express誌に掲載され,2009年10月,11月の2ヶ月連続で論文ダウンロードの月間ランキング1位を記録した.
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Research Products
(5 results)