Research Abstract |
平成23年度は,以下の2つの研究を実施した. 1.まず,今年度は造形システムのデータベースの基礎となる,自然造形物や工業製品などのさまざまな美しい曲面からCLDCTを抽出してその性質を分析し,曲面の性質を解明することを目的とした.具体的には,3次元計測装置を用いてさまざまな曲面を計測し,その計測データを元に曲面の最大・最小曲率線を抽出した.さらに2本の最大曲率線を基準線とし1本の最少曲率線をガイド線とする曲面からCLDCTを抽出し,2本の基準線と抽出したCLDCTのそれぞれの曲率対数分布図と振率対数分布図を作成することで曲面の性質を同定するシステムを開発した.これにより,さまざまな曲面の分析が可能となり,美しい曲面がどのような性質を持つ場合に成立するのかを解明できる.また,それらの結果を元に,曲面を性質により体系化することで,対数美的曲面の汎用性が向上すると考えられる. 2.次に,美しい曲線(面)の応用として,形成外科手術用テンプレートの開発を行った.具体的には,形成外科手術で外鼻の形状が修正される際の,その形状の完成度向上に対する支援を目的として,日本人の外鼻形状の輪郭曲線を分析し,分類した.具体的な方法は,まず日本人84人(18~24歳)の外鼻形状を撮影し,画像処理により輪郭曲線を抽出した.次に,外鼻形状の曲線について曲率プロファイルを用いて分析した.その結果を用いて,外鼻形状の輪郭曲線を5タイプ(A~Eタイプ)に分類した.また,その分類を用いて外鼻の形成外科手術の支援を目的として,テンプレートとそのテンプレート作成支援システムの開発を行い,実際の形成外科手術においてその有用性の検証を行った.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
美しい曲面には,対数美的曲線同様に自己アフィン性があることを解明できた.現在は予定どおり様々な曲面を計測し,その曲面の分類を試みている.また,造形への応用だけでなく,形成外科手術への応用も行い,研究が発展できている.
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Strategy for Future Research Activity |
平成24年度は,美的曲面の分類と,その結栗を用いた造形支援システムの開発を行う予定である,造形支援システムは昨年度までに先行して,基幹部分を開発してきた.そこで問題になったのが,曲面創成のパラメータを変更する際のインタフェース部分である.今年度はKINECTを使った直感的なインタフェースを開発する予定である.
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