2009 Fiscal Year Annual Research Report
拡張フラクショナルビュー方式立体表示画像のネット配信
Project/Area Number |
21500111
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Research Institution | Kanagawa Institute of Technology |
Principal Investigator |
谷中 一寿 Kanagawa Institute of Technology, 情報学部, 教授 (30298278)
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Keywords | インテグラルフォトグラフィ / 拡張フラクショナルビュー / EFV / 立体表示 / 3Dディスプレイ / ビデオカメラ / web3D / 電子ペーパー |
Research Abstract |
本研究は、水平・垂直方向に視差を生じるインテグラルフォトグラフィの一種で、既製のフライアイレンズとフラットパネルディスプレイ(FPD)を自由に組み合わせられるように我々が改良した「拡張フラクショナルビュー方式(EFV方式)」の立体画像のネット配信を行うことを目標としている。EFV方式の立体表示用画像の作製法は実写による方法とCGを用いる方法とがあるが、その両方に関し研究した。まず前者を対象とし、民生用HDデジタルビデオカメラの前に大型凸レンズと8×8画素のフライアイレンズを置いて撮影することによって、動画のインテグラルフォトグラフィを実現するシステムを構築した。撮影によって得られたHDデジタルビデオ信号をPCに送り、連番BMP画像に変換した後、我々が開発したプログラムでEFV方式のIP画像を合成し、得られたIP画像を結合して動画にし、EFV方式のディスプレイに表示したところ、良好な立体像が得られた。この方式はオフラインの処理が必要ではあるが、ビデオカメラ自体には手を加えないので、すぐにでも安価に実現できる利点がある。この成果は5月にドイツのポツダムで開催された3DTVコンファレンス2009で発表した。次に立体画像の配信技術を確立する必要があるが、その準備として、既存のweb3Dのデータやブラウザには全く手を加えず、クライアント側の処理のみによってパララックスバリア方式の立体表示を行う方式を提案し、実験システムを構築し、その成果を8月にニューオリンズで開催されたSIGGRAPH2009でポスター発表した。さらに、急速に実用化が進んでいる電子ペーパーは、新しいFPDという点でも新しい通信メディアという点でも注目されているが、それとFPDを選ばない利点を有するEFV方式を組み合わせた、新しい立体表示方式を提案し、実験で動作を確認し、その成果を9月にケンタッキー州ルイビルで開催されたNIP25で発表した。
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