2009 Fiscal Year Annual Research Report
脳波と自律神経反応を利用する視線入力インタフェース
Project/Area Number |
21500120
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Research Institution | The University of Electro-Communications |
Principal Investigator |
板倉 直明 The University of Electro-Communications, 電気通信学部, 教授 (30223069)
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Keywords | ユーザインターフェース |
Research Abstract |
本研究は、視線で「選択した」ものが利用者の「選択しようとした」ものと同じであるかの確認入力として、画面に呈示した点滅刺激による誘発脳波や自律神経反応を利用する視線入力インタフェースの開発を目的としており、平成21年度は、1)脳波の解析方法の確立、及び、確認入力として使用できる脳波を獲得しやすい画面呈示方法の検討を行った。また、2)自律神経反応の中で確認入力として使用可能な反応の探索も行った。 1)の成果では、従来のAR(自己回帰)モデルによる脳波解析より、FFTによる脳波解析の方が特徴量を得やすいことや、2~4sほどの脳波データでリアルタイムによる確認入力が行えそうなことが判明した。さらに、点滅に同期した同期加算波形の特徴を判断することで、FFTによる解析より、さらに短時間の脳波データで確認入力として脳波が利用できる可能性が示唆された。画面呈示方法では、位相の反転したふたつの呈示点滅刺激を利用することで、脳波の位相情報からどちらの呈示点滅刺激を見ているかの判定が行えることが判明した。また、呈示図形としては円形より帯状図形の方が安定して特徴的な脳波が得られることが示された。 2)の成果では、発汗量で点滅刺激を見た場合と見ない場合で、その平均値と分散値が統計的解析により異なることが明らかになったが、インタフェースとして利用できるほど明らかな差は得られなかった。従って、さらに刺激図形等を変化させ、明らかな差が得られる条件等を探索する必要がある。 上記以外の成果としては、従来の注視入力に変わる視線入力インタフェースの入力方式として、視線の移動パターンの組み合わせによる入力方式(eye gesture入力)を提案し、従来の注視入力より短時間で選択肢を入力できることが判明した。また、入力装置を安価でかつ携帯可能なほどコンパクトにするために、市販のICアンプを用いたプロトタイプの小型入力装置を開発した。
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