2011 Fiscal Year Annual Research Report
脳波と自律神経反応を利用する視線入力インタフェース
Project/Area Number |
21500120
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Research Institution | The University of Electro-Communications |
Principal Investigator |
板倉 直明 電気通信大学, 大学院・情報理工学研究科, 教授 (30223069)
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Keywords | ユーザインタフェース |
Research Abstract |
本研究は、視線で「選択した」ものが利用者の「選択しようとした」ものと同じであるかの確認入力として、画面に呈示した点滅刺激による誘発脳波や自律神経反応を利用する視線入力インタフェースの開発を目的としており、平成23年度は、1)視線誤入力を減らすために二択入力として使用する脳波解析方法の確立、2)二択入力として使用できる脳波を獲得しやすい画面呈示方法の検討、3)コンパクトな携帯型眼球運動測定システムのプロトタイプ開発を行った。 1)2)の成果では、従来の自己回帰(AR)モデルやFFTによる脳波の周波数解析では、4s以上の脳波データがリアルタイムによる確認入力に必要であったが、従来行われていなかった5Hz以上の早い点滅刺激に同期した同期加算波形の特徴を利用することで、2s以下の脳波データで確認入力として利用できることが示された。画面呈示方法では、位相の異なる4つの点滅刺激を利用することで、脳波の同期加算波形から、どの点滅刺激を見ているかの判定が行えた。また、点滅刺激を右視野、左視野で見た場合においても、脳波の同期加算波形から、どちらの視野で点滅刺激を見ているかの判定も行えた。さらに、点滅刺激の模様や明るさによっても、同期加算波形の特徴が異なることが示され、5Hz以上の早い点滅刺激に同期した同期加算波形を利用することの様々な有用性が示された。 3)の成果としては、視線の移動パターンの組み合わせによる入力(eye gesture入力)が可能で、コンパクトかつ安価な携帯型眼球運動測定システムを開発した。また、このシステムでは電極貼付にペーストが必要であったものを、測定システムの改良と新素材の電極を利用することで、ペーストレスで電極使用が可能となった。さらに、眼球運動に伴う磁場変動を利用した眼球運動計測方法の検討を行い、電極貼付を必要としない簡易な生体信号測定装置開発に着手した。
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Research Products
(3 results)