2009 Fiscal Year Annual Research Report
手術シミュレータ向け血管内圧力を考慮した血管の変形方式
Project/Area Number |
21500125
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Research Institution | Musashi Institute of Technology |
Principal Investigator |
向井 信彦 Musashi Institute of Technology, 知識工学部, 教授 (20350233)
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Keywords | 画像工学 / コンピュータグラフィックス / バーチャルリアリティ / リアルタイムシミュレーション / 手術シミュレータ / 医療・福祉 / コンピュータ支援外科 |
Research Abstract |
本研究では、血管の内部圧力を考慮するごとにより正確な血管の変形を行いながらも、手術練習というリアルタイム応答性を達成するために、血管内圧力を考慮した高速な血管変形方式の確立を目的としている。平成21年度は、本研究最初の年に当たるため、正確な血管変形を行うために、血液粒子をミクロ的に取り扱う粒子法を導入した。代表的な粒子法として、MPS(Moving Particle Semi-implicit)法とSPH(Smoothed Particle Hydrodynamics)法があるが、本研究では血液が非圧縮性であることから、非圧縮性流体に適用可能なMPS法を採用した。粒子法を用いて血管内圧力を計算するためには、血液粒子同士だけでなく、血液粒子と血管との衝突判定をも行う必要がある。MPS法では全ての対象物を粒子で扱うために、血液だけでなく、血管壁も粒子に変換し、これらの間の衝突判定を統一的に扱える手法を導入した。但し、血液粒子は液体であるのに対し、血管壁は固体であるため、物体の性質に応じた属性を設定する必要がある。粒子法を用いると、血管内にある血液粒子の挙動を正確に計算することができる半面、多大な計算時間を要する。そこで、2種類の高速化手法を適用した。一つは、近傍粒子の探索法である。粒子のインデックス番号を並び替えてハッシュ関数を適用することにより、近傍粒子探索の高速化を図った。もう一つはGPU(Graphics Processing Unit)の利用であり、並列化処理を採用し、上記近傍粒子の高速化を適用することにより、リアルタイム処理を実現した。50,000粒子の血液と50,000粒子の血管壁から構成されるモデルに対しても、血管内圧力を考慮した血管の変形処理時間はわずか15msであった。
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Research Products
(4 results)