2010 Fiscal Year Annual Research Report
手術シミュレータ向け血管内圧力を考慮した血管の変形方式
Project/Area Number |
21500125
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Research Institution | Tokyo City University |
Principal Investigator |
向井 信彦 東京都市大学, 知識工学部, 教授 (20350233)
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Keywords | 画像工学 / コンピュータグラフィックス / バーチャルリアリティ / リアルタイムシミュレーション / 手術シミュレータ / 医療・福祉 / コンピュータ支援外科 |
Research Abstract |
本研究では、血管の内部圧力を考慮することにより正確な血管の変形を行いながらも、手術練習というリアルタイム応答性を達成するために、血管内圧力を考慮した高速な血管変形方式の確立を目的としている。平成21年度は、非圧縮性流体を取り扱えるMPS(Moving Particle Semi-implicit)法を用いて正確な血流シミュレーションを行うための基礎方程式を導入した。また、血液粒子同士だけでなく、血液粒子と血管との衝突判定も統一的に行うため、血液だけでなく血管壁も粒子に変換し、これらの間の衝突判定を統一的に扱える手法を導入した。そこで平成22年度は、正確な血流シミュレーションを行うために、実患者データを基にして血管モデルを構築する手法について検討した。血流シミュレーションを最も必要とする手術は大動脈を取り扱う手術(例えば、大動脈弁置換手術など)であるため、実患者の3次元CT(Computed Tomography)データから大動脈を自動的に抽出すると共に、抽出された大動脈をポリゴンデータに変換した後、最終的には粒子モデルに変換する手法を検討した。15,880粒子で構成される血管モデル内に、6,688粒子で構成される血液を流し、血管表面上を二つの術具で押して血管を変形し、この変形により血流が変化する様子をシミュレーションした。血管の変形に要する時間は約20msであり、血液、血管共に粒子を用いてもシミュレータとしての応答性能を確保することができた。血管を押すことで血管内圧力が変化し、血液粒子にも影響を与え、その結果として血管は変形するが、血管内圧力を考慮することにより、血管径はほぼ一定のまま変形する様子が確認された。また、血管の一部から出血するシミュレーションも行うことができた。
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Research Products
(3 results)