Research Abstract |
昨年度の結果より,特にデータが少ない初期の段階では,プログラム作成者一人につき一つの記述モデルを構成すると,パラメータの推定が十分に行えないことが分かった.それを踏まえ,本年度は記述スタイルのよく似たプログラム作成者は単一の記述モデルとすることで認識の精度を上げるという手法について検討を行った すなわち,新しい系列データがやってくるたびに既存の全てのHMMに系列データを入力し,その系列データの出現確率を計算する。最大の出現確率を出力したHMMを,系列データに対応するモデルと考える.モデルの出力した出現確率が,予め設定された閾値よりも小さい場合は,すでに存在するHMM群には,系列の特徴を表現する適切なモデルがないと考え,新たなHMMを群に追加し,それを学習する.もし,閾値よりも大きい場合には,系列データに対応するモデルを学習する.最初,単一のHMMからはじめ,この学習を繰り返すことで,モデルに対応するHMMが適応的に追加,学習されることになる この新しいアルゴリズムをテストするため,これをコンピュータ上に実装し,加速度センサの情報から,携帯端末ユーザの振る舞いを識別するシステムを構築した.「走る」と「歩く」,「階段の昇降」という4種類の動作についてテストを行った結果,闘値を正しく設定することで4種類の動作に対応したHMMが自動的に構成され,90%を越える高い認識率を実現できることが分かった
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