2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21500148
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Research Institution | Tokyo Denki University |
Principal Investigator |
中村 克彦 東京電機大学, 理工学部, 教授 (90057240)
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Keywords | 人工知能 / 機械学習 / 文法推論 |
Research Abstract |
本研究の目的は文脈自由文法(CFG)の推論方式を基礎として,確定節文法(DCG : definite clause grammar)および構文翻訳図式(SDTS : syntax-directed translation scheme)に対する効率の高い帰納推論の方法を確立し,コンパイラの自動作成,セル・オートマトン(CA)の学習および構文的パタン認識・学習など機械学習のいくつかの課題への応用を進めることである.平成22年度の主な実績は次のとおりである. (1) CFGおよびDCGを漸次学習するためのSynapseシステムについて,学習の高速化と機能の充実化のために規則合成方式を改良した。 (2) 形式言語を並列認識する1次元1方向性のセルオートマトン(OCA)の規則集合の漸次学習方式について,理論的な解析をすすめ,非文脈自由な言語を含むいくつかの基本的言語を受理するOCAの規則集合を合成できるOccamシステムを作成した. (3) 非同期並列的に適用される規則集合がその規則集合自身を合成できるような自己複製(self-replication)のモデルを作成してシミュレーションを行い,新しい人工生命のモデルであることを確認した.次の課題はこのような規則集合の学習による合成である. (4) 弱文脈依存文法(mildly context-sensitive grammar)に含まれる線形インデクッス文法(LIG : linear indexed grammar)の学習について検討した結果,このタイプの文法が強力で自然言語の文法などを表すために適していること,またこれまでSynapseで用いられてきた文脈自由文法の規則合成方式(ブリッジ方式)を応用できることが明らかになった.
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