2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21500148
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Research Institution | Tokyo Denki University |
Principal Investigator |
中村 克彦 東京電機大学, 理工学部, 教授 (90057240)
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Keywords | 人工知能 / 機械学習 / 文法推論 |
Research Abstract |
本研究の目的は文脈自由文法(CFG)の推論方式を基礎として,確定節文法(DCG)および構文翻訳図式(SDTS)に対する効率の高い帰納推論の方法を確立し,コンパイラの自動作成,セル・オートマトン(CA)の学習および構文的パタン認識・学習など機械学習のいくつかの課題への応用を進めることである. 平成23年度の主な実績は,これまで進めてきた規則合成と規則集合探索による漸次学習の方式を改良するとともに,この方式を応用して線形インデックス文法(LIG)の学習を実現したことである.LIG(LIG:Linear Indexed Grammar)はAhoおよびDuskeらによって提案された拡張プッシュダウン・オートマトンにもとづいた文法であり,文脈自由言語(CFL)を超えた弱文脈依存言語(mildly context-sensitive language)と呼ばれるクラスの言語を表わすことができる.このクラスのために互いに等価ないくつかの文法モデルがあるが,LIGは簡潔であり,CFGなどに比べて自然言語の文法に適していること,多項式時間で構文解析が可能であることなど好ましい特性をもっている.これまでには弱文脈依存言語の文法学習の研究はほとんど報告されていない.本年度の研究では線形インデクッス文法(LIG)の学習方式について検討し,これまで用いてきた文脈自由文法の規則合成方式(ブリッジ方式)および規則集合探索方式を応用して正負の例から基本的なLIG文法をかなり効率高く合成できるシステムを作成した.合成された言語にはコピー言語(wwの形をもつ記号列の集合)などの非文脈自由言語を含んでおり,この結果は文法推論とその応用への新しい可能性を開くことが期待される。
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