2011 Fiscal Year Annual Research Report
推薦システムにおけるスタートアップ問題の転移学習による解消
Project/Area Number |
21500154
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
神嶌 敏弘 独立行政法人産業技術総合研究所, ヒューマンライフテクノロジー研究部門, 主任研究員 (50356820)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
赤穂 昭太郎 独立行政法人産業技術総合研究所, ヒューマンライフテクノロジー研究部門, 研究グループ長 (40356340)
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Keywords | recommender system / transfer learning |
Research Abstract |
推薦システム(recommender system)は,利用者の好むであろうアイテムや情報を予測し,それを利用者に提示するシステムである.これは,必要とするアイテムや情報があっても,膨大な他のものに埋没して目的のアイテム・情報を入手できない情報過多(information overload)に対処するための手段として開発されてきた.1990年代から研究が進展し,現在では,電子商取引サイトなどで幅広く利用されている.本研究では,スタートアップ問題を始めとする,推薦システムの諸問題について,新たな解決方法を研究している.本年度は,以下の2点の問題に取り組んだ. (1)推薦システムを,単に商品を提示するだけのシステムから,一歩進めて,利用者に対してより積極的な対応ができる,いわば『おもてなし』ができるような拡張を考える.そうした積極的な対応の一つとして『価格個人化』を選んだ.これは,全ての利用者に同一の価格で商品を提供するのではなく,利用者の状況に応じて価格を変更するものである.多腕バンディットとよぶアルゴリズムを利用することで,定価では買わないが,割引があれば購入するであろう顧客についてのみ割引を提示する枠組みを提案した. (2)推薦やデータマイニングのアルゴリズムは決定支援の側面をもち,与信や採用などの重大な判断にも生かされるようになってきている.人種・性別など社会的公正性の観点からのぞましくない情報の利用や,利用者との契約から利用すべきでない個人情報などからの中立性に配慮した方法論について検討した.こうした利用が望ましくない情報との中立性を,統計的独立性の概念と結びつけたアルゴリズムを提案した.
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