2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21500164
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
金子 透 Shizuoka University, 工学部, 教授 (50293600)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山下 淳 静岡大学, 工学部, 准教授 (30334957)
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Keywords | コンピュータビジョン / 視覚障害者支援 / 画像処理 / ウェアラブルビジョン / タッチパネル操作 / 書籍音読 / 文字認識 / 色覚 |
Research Abstract |
本研究は、視覚障害者が豊かな社会生活を営むための視覚機能補助システムをコンピュータビジョン技術を用いて実現することを目的としており、本年度は下記のように研究を進めた。 (1)ATMのタッチパネル操作を誘導するウェアラブルビジョンシステムについて、ステレオカメラ、マイク・イヤフォンのヘッドセット、パーソナルコンピュータで構成されるセンシング部分と、タッチパネルを模した液晶表示端末から成る、予備実験用のシミュレーションシステムを作成した。本システムでは、カメラで撮影したタッチパネルの画像からボタンの位置と利用者の指先の位置を検出し、指先をボタン位置に誘導する。ボタン位置の検出における課題として、手指によるオクルージョン問題について解決を図り、またボタン位置への誘導方法に関して、音声を用いた方法について検討を行った。 (2)書籍の文章を音声に変換する書籍音読システムについて、ステレオカメラと照明装置、スピーカー、パーソナルコンピュータから成る実験システムを作成した。本システムでは、見開いた書籍紙面を撮影したステレオ画像を処理して紙面画像の幾何学歪みと陰影の補正を行うことにより、文字認識率の向上を図っている。認識した文字群について書籍ページのレイアウトとの関係を分析し、正しい順序で文章を音声合成により読み上げる方式を検討した。また部分画像をつなぎ合わせて高解像度の画像を生成するモザイキング処理について検討した。 (3)色覚障害者に色情報を伝える色情報提示システムについて、色覚障害者にとって判別困難な色の組み合わせを有する対象をカメラ画像より検出し、互いに判別可能なように補助情報を撮影対象にプロジェクターで投影するシステムを作成した。混同色線を用いた判別困難な色の検出、境界線・色名・塗り潰し表示による色情報提示について検討を行った。
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