2011 Fiscal Year Annual Research Report
非線形動力学的観点からの社会性昆虫の数理モデル化と群ロボットへの応用
Project/Area Number |
21500190
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Research Institution | Tohoku Gakuin University |
Principal Investigator |
菅原 研 東北学院大学, 教養学部, 准教授 (50313424)
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Keywords | トゲオオハリアリ / 少数個体群の行動解析 / リズム現象 / 位相モデル / パトロール行動 |
Research Abstract |
本年度の主な実績として、トゲオオハリアリの行動特性を定性的に理解することを目的とした数理モデルの構築があげられる。 (1)個体の行動にみられるリズム現象の数理モデル化 申請者らがこれまでに行ってきた実験から、均質な閉空間内に単体あるいは少数でおかれたトゲオオハリアリは「動き回る活発な状態」と「ほとんど動かない不活発な状態」をある程度周期的に示すことが分かってきた。特にワーカーに焦点を当て、主に巣外で活動する「外役」と、主に巣内で活動する「内役」に大別して、それらの組み合わせによって活発・不活発の周期性を計測したところ、①外役―外役の組み合わせでは、活発・不活発が同位相の周期性を示しやすい、②内役―内役の組み合わせでは、逆位相の周期性を示しやすい、という傾向が見られることが明らかになった。そこで、この現象を数理的に理解すべく、簡単な振動子の位相引き込みモデルを構築した。「単純な振動子に閾値を導入し、それを超えている間だけ移動するものとする」「一定の確率で出会うものとする」「出会ったときに結合定数に応じて位相が修正される」という仮定のもので数値計算を行い、実験結果に相応する計算結果を示すことができた。 (2)パトロール行動の数理モデル化 トゲオオハリアリはコロニー統制のためにパトロール行動を示すことが知られている。別の研究グループからの報告により、「コロニーからしばらく隔離された個体群を再びコロニーに戻した際、その個体群の割合に応じて女王のパトロール時間が変化する」ことが明らかになった。そこでこのグループと共同で、この実験結果を定性的に理解することを目的とした数理モデルの構築を行った。女王、ワーカーに内部状態を導入し、接触によって内部状態量が変化することをベースとした単純なモデルであるが、定性的な理解につながるモデルとすることができた。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(2 results)