2009 Fiscal Year Annual Research Report
高齢者や障害者の料理行動を支援するナビゲーション方式及びリハビリ効果に関する研究
Project/Area Number |
21500192
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Research Institution | Osaka Institute of Technology |
Principal Investigator |
佐野 睦夫 Osaka Institute of Technology, 情報科学部, 教授 (30351464)
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Keywords | 情報システム / 認知科学 / マルチモーダルインタフェース / 脳神経疾患 / リハビリテーション |
Research Abstract |
本研究では,高次脳機能障害者などの障害者の支障や障害の程度に応じて料理行動を支援するシステム構成法を追求するとともに,本システムを適用したリハビリテーション効果を検証する.大阪府障がい者自立センタと共同で実験を行い,下記に示す研究成果が得られた. (1)障害や支障の程度に応じた料理ナビゲーションシステムの提案と構築 高次脳機能障害では,失語症,遂行機能障害,注意障害,記憶障害などのさまざまな障害が組み合わされ,障害パターンがユニークに限定されない傾向にあり,個人ごとに料理ナビゲーションインタフェースを設定する必要がある.障害者行動の観察結果に基づき, ・テキスト・映像・音声のマルチモーダルインタフェースから構成されるガイダンス機能 ・レシピを調理器具などの暗黙知識も組み込んだ調理操作単位に展開させ,懸かり受け問題を解決し,順方向に視線移動が遷移するようにレシピ変換を行う機能 ・抽象化された言語での指示よりも,具体化された実体そのものの提示する機能 ・注視点以外はマスキングする注意フォーカス機能 の実現を行った.(査読付国際会議1件,研究会2件) (2)高次脳機能障害者の自己効力感の向上に関する評価 構築した料理ナビゲーションシステムを利用した料理リハビリテーションを,3人の障害者(女性)に対して実施し,1人約3ヵ月,延べ1年間のリハビリテーション実証実験を行った.その結果,3人とも生活レベルにおける自己効力感の向上が観察された.(査読なし紀要2件,研究会1件) (3)料理行動認識および料理プラニング支援 手首につけた加速度センサと環境カメラにより,状態遷移履歴から検証・予測を行い料理行動認識する方式を検討中である.料理プラニング支援としては,料理行動や味などに関するエピソードを収集し,ロボットコミュニケーションに基づき,記憶を想起させる仕組みを検討中である.(全国大会1件)
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