2010 Fiscal Year Annual Research Report
高齢者や障害者の料理行動を支援するナビゲーション方式及びリハビリ効果に関する研究
Project/Area Number |
21500192
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Research Institution | Osaka Institute of Technology |
Principal Investigator |
佐野 睦夫 大阪工業大学, 情報科学部, 教授 (30351464)
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Keywords | 情報システム / 認知科学 / マルチモーダルインタフェース / 脳神経疾患 / リハビリテーション |
Research Abstract |
本研究では,高次脳機能障害者などの障害者の支障や障害の程度に応じて料理行動を支援するシステム構成法を追求するとともに,本システムを適用したリハビリテーション効果を検証する.下記に示す研究成果が得られた (1) 調理動作認識方式の提案と評価 加速度センサによる「切る」「混ぜる」などの基本動作の時系列データに対する認識方式を提案し評価を行った.Wavelet変換に基づく認識方式およびHMMに基づく認識方式の比較検討を通じて,調理動作全体の認識率を向上させた(研究会4件,全国大会1件) (2) 障害者の認知モデルに適応した料理ナビゲーション 支障や障害の程度により異なる認知モデルに対して,適応的に対応できる料理ナビゲーションシステムを構築し,5人の高次脳機能障害者に対する調理支援実験を行い,アンケート調査により,自己効力感の向上を確認することができた.(査読付きジャーナル論文1件,招待講演1件,研究会1件) (3) 社会スキル向上のためのグループ料理リハビリテーション 社会スキル向上を図るために,生活の中の基盤である調理行動に着目し,協調型料理ナビゲーションシステムを提案した.システムを協力行動発現支援と協力行動評価支援に大きく分け,再構成した.高次脳機能障害者同士が脇力し合い,社会性を確認する評価実験を通して,本システムの有効性を確認した.(研究会2件) (4) 遠隔モニタリングを介した料理リハビリテーション 監督者が遠隔地から患者の調理の様子を監視し,患者が調理に行き詰ったときや問題が生じた場合にだけ支援する遠隔モニタリングを介した料理リハビリテーション方式を提案し,2人の高次脳機能障害者に対して実験評価を行った.遠隔で支援するタイミングや認識機能について検討を行った.(研究会1件)
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