2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21500196
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Research Institution | Tokyo National University of Fine Arts and Music |
Principal Investigator |
松井 茂 Tokyo National University of Fine Arts and Music, 大学院・映像研究科, 特任講師 (80537077)
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Keywords | 触感覚 / オノマトペ / デザイン / 触相 |
Research Abstract |
現在取り入れられているデザイン手法の多くは,視覚優位のビジュアルコミュニケーションに根ざした手法である.しかしながら人間は,視覚のみならず,聴覚,触覚等,他の感覚器官からも多くの情報を得ている.特に,感情に関する情報は,聴覚・触覚的な情報に負うところも大きい.例えば聴覚においては,音楽作曲理論としてのバークリーメソッドや,サウンドスケープデザイン等,その感覚・感情との関係性についての理論化,換言すればデザイン原理の構築が多く試みられている. 触覚においは,物質の多様性に対応した理論化,あるいはデザイン原理の構成には至っていない.本研究では,環境に無限に存在する物理的な触覚テクスチャを,そのまま情報として扱うのではなく,音楽のコードに対応するような"感覚の物差し"として,感性語であるオノマトペに着目している.言語としてコード化されている音韻と感覚イメージの相関関係の分析をもとに触感覚に基づくデザイン・コードの構築を目指している. 今年度は,計画書の通り,触覚オノマトペの主観評価に基づいて,触相図を作成発表を行い(バーチャルリアリティ学会),触覚と聴覚という感覚器官に働きかける実験作品として音声詩を制作して発表した(朝日新聞).
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