2009 Fiscal Year Annual Research Report
異種メディアデータ提示時の様々な感動の喚起機構の解明と検索システムへの応用
Project/Area Number |
21500199
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Research Institution | Kyoto Institute of Technology |
Principal Investigator |
寶珍 輝尚 Kyoto Institute of Technology, 工芸科学研究科, 教授 (00251984)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
谷塚 昇 大阪府立大学, 理学系研究科, 准教授 (50079159)
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Keywords | 感性情報学 / 感動 / 脳・神経 / 情報検索 |
Research Abstract |
本年度は,まず,感動に至る視聴覚素材の同時提示の影響を客観的に明確化するために,感動的な視聴覚素材同時提示時の脳波の測定を行った.素材としては,ブロックが崩れる動画とガラガラと崩れる音で構成される視聴覚素材,ならびに,オーロラの動画とハープのリラックスできる音楽で構成される視聴覚素材を使用した.安静閉眼時,安静開眼時,聴覚素材提示時や視覚素材提示時を比較したが,どちらの素材に対しても視覚野や聴覚野の部位に差が見られる程度で,他の部位に顕著な変化が見られることはなかった.雑音の影響が考えられるので,雑音に対する対策を施している. また,調和感が視聴覚素材の印象に与える影響と視聴覚素材の意味的調和,時間的調和と総合的調和の関係を明確化した.主観的評価実験を詳しく分析した結果,視聴覚素材の印象は映像よりも音楽の方が優位に働き,視聴覚素材の「総合的調和」は「意味的調和」と「時間的調和」から推定可能であることを明確化した. さらに,閉眼安静時の脳波がアルファリズムを含み,そのリズムが,ある特定の意識や感情の状態と深くかかわることが知られている事実を鑑み,リズムの基本的な構造の解析を試みた.ここでは,まず,脳磁気時系列から意識状態を定量化するためのハースト指数の構造を示した.そして,閉眼安静状態においてアルファ波基準で約一周期と多周期の二領域に指数値が区別され,多周期側のハースト指数H2が意識状態を敏感に反映することを明らかにした.
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