2011 Fiscal Year Annual Research Report
異種メディアデータ提示時の様々な感動の喚起機構の解明と検索システムへの応用
Project/Area Number |
21500199
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Research Institution | Kyoto Institute of Technology |
Principal Investigator |
寶珍 輝尚 京都工芸繊維大学, 工芸科学研究科, 教授 (00251984)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
谷塚 昇 大阪府立大学, 理学系研究科, 准教授 (50079159)
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Keywords | 感性情報学 / 感動 / 脳・神経 / 情報検索 |
Research Abstract |
感性に基づく異種メディアデータ検索において感動を喚起可能とするために,視聴覚素材同時提示による感動喚起に関する検討を行い,実験の結果得られた感動の度合いがこれまでに明らかにしてきた推定式を用いて推定可能であることを示した.これまでに明らかにしてきた感動の度合いの推定式が従来と異なる視聴覚素材を用いた実験の結果に対しても適用できたことで,感動の度合いの推定式の信頼性を向上させることができた.この推定式では,聴覚素材の感動の程度,ならびに,視覚素材と聴覚素材の調和度が大きなウェイトを占めている.すなわち,感動を与えることが可能な異種メディアデータ検索においては,感動を喚起する聴覚素材,ならびに,聴覚素材と調和の取れた視覚素材を求めることが重要になる.以上得られた成果により,心を揺さぶるような感動を与える異種メディアデータ検索の実現に向けて,また一歩前進できたと考えられる. さらに.ハースト指数と人の感情・意識の状態との相関関係について検討し,ブロックが崩壊する映像(崩壊音付き)を被験者に条件付きで提示して得られた脳波(α波)に対して解析を行ったところ,映像視聴実験での視覚遮断,聴覚遮断の影響が指数に顕著に表れていることを明らかにした.また,視覚素材と聴覚素材を同時提示した場合の脳波を測定し,視聴覚素材提示時の左頭頂部と右頭頂部のβ波の含有率が視覚素材提示時と比較して減少していること等の条件を全て満たす素材が,同時提示することで単体提示よりもより一層盛り上がる素材である可能性があることを明らかにした.これらにより,感動の生起機構の解明ならびに感動の客観的測定の実現に向けて前進できたと考えている.
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