2010 Fiscal Year Annual Research Report
系統的解析に基づく、「かわいい」人工物の系統的構成手法の導出
Project/Area Number |
21500204
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Research Institution | Shibaura Institute of Technology |
Principal Investigator |
大倉 典子 芝浦工業大学, 工学部, 教授 (00317364)
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Keywords | かわいい / 人工物 / 感性価値 / 色 / 色相 |
Research Abstract |
本研究では、人工物(ものつくりの成果物)の感性価値として「かわいい」を取り上げ、その物理的な属性を系統的に解析することにより、「かわいい」人工物の系統的構成法の導出を目指す。 この目的に照らし、平成22年度は以下を実施した。 1. これまでに行ってきた人工物の「かわいい形」・「かわいい色」・「かわいい大きさ」・「かわいい質感」に関する研究成果の残された課題について整理した。 2. 「かわいい色」について、対象とする色相の数が少なかったために複数の実験結果に齟齬が生じている可能性があったことから、色相の数を増やして再実験を行った。その結果、「かわいい色」の色相について、知見を得た。さらに、季節で嗜好が変わるという先行研究があることから、「かわいい色」の季節性についても実験を行った。その結果、一般的な傾向はなかったものの、個人ごとでは夏と冬でかなり異なっていることがわかった。 3. 前年度に、日本感性工学会に「かわいい人工物研究部会」を設立した。本年度は、5月にキックオフシンポジウムを開催し、9月の日本感性工学会大会および平成23年3月の同学会春季大会で企画セッションを実施した。これらで成果を発表し、討論を通じて研究の意義や方向性を再確認すると同時に、他の研究者に「かわいい人工物」という切り口から自身の研究をご紹介いただくことで、聴講者を含め、「かわいい人工物」の研究の認知度を向上した。特に、これらをきっかけとして産業界との交流を開始したことは、研究成果の適用に向けて大きな意義があると考える。 4. また、国際会議や国内学会での発表や他大学での特別講義等を通じ、本研究の成果を発表した。
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