2011 Fiscal Year Annual Research Report
系統的解析に基づく、「かわいい」人工物の系統的構成手法の導出
Project/Area Number |
21500204
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Research Institution | Shibaura Institute of Technology |
Principal Investigator |
大倉 典子 芝浦工業大学, 工学部, 教授 (00317364)
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Keywords | かわいい / 感性価値 / 色 / 性別 / 季節 / リボン / テクスチャ / 触感 |
Research Abstract |
本研究では、人工物(ものつくりの成果物)の感性価値として「かわいい」を取り上げ、その物理的な属性を系統的に解析することにより、「かわいい」人工物の系統的構成法の導出を目指す。 この目的に照らし、平成23年度は以下を実施した。 1.22年度からの継続研究として、「かわいい色」の詳細な実験を実施し、性別や季節による影響を分析した。 2.これまでは、抽象的なバーチャルオブジェクトを対象として、「形」・「色」・「大きさ」・「テクスチャ」など単独の物理的属性についてかわいい感の評価を行ってきたが、初めて具体物として「リボン」を取り上げ、さらに「色」と「パターン」(模様)という複数の属性を組合せて、かわいい感のアンケート調査実験を行った。さらにこの調査実験では、今後のさらなる応用を見据えて、ウェブアンケートシステムを構築して使用した。 3.これまでの実験で「かわいいテクスチャ」と触感とは関連のありそうなことが示唆されていたため、触感との関連を調べる予備調査を実施した。 4.2011年9月の日本感性工学会大会で「かわいい人工物」研究部会と感性計測部会とで合同セッションを開催し、11月の第4回横幹連合コンファレンスでは日本感性工学会企画セッション「かわいいという感性価値への多面的アプローチ」(NHK石川放送局のニュースとBSニュースで放映)を開催した。さらに、2012年3月の日本カワイイ博in新潟の開催に協力した。 以上の研究成果および活動成果は、「かわいい」という感性価値を学術的に位置付け、かつ一般に認知してもらうという点で、一定の成果を挙げたと考えている。
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