2009 Fiscal Year Annual Research Report
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21500210
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
佐藤 譲 Hokkaido University, 電子科学研究所, 准教授 (30342794)
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Keywords | 複雑系 / 学習方程式 / 時空カオス / N人ゲーム力学系 / マルコフゲーム力学系 / 連続ゲーム力学系 |
Research Abstract |
本年度は基礎概念を整理し、具体的なゲームを選んで問題を明確化し、標準ゲーム力学系をN人系、マルコフ系、連続系へ拡張したモデルを構成しました。 (A)N人ゲーム力学系への拡張:プレイヤーの数を増やす拡張をする場合、いくつかの問題が生じる。N人ゲーム力学系の利得行列はN人のプレイヤーどうしを結合するN層の複雑ネットワークとなり、モデルデザインが困難です。そこで(1)最も単純なネットワークである格子モデル、(2)ランダム選択から導かれる大域結合モデルを最初のステップとして考察します。またNが大きくなると大量の計算資源が必要になることが予想されるので、各要素の適応ダイナミクスとして離散力学系(写像)を用います。拡張モデルは結合写像系(Coupled map lattice, Globally coupled maps)となります。 (B)マルコフゲーム力学系への拡張:プレイヤーを確率分布でなくマルコフ系でモデル化します。最初のステップとしては二人の2×2行列ゲームにおいて各プレイヤーを単純マルコフ系でモデル化した場合を考えます[業績10]。この場合状態変数は条件付き確率xi|ij=Prob(X=i|X=i,Y=j)となり、前記方程式系(1)が以下の方程式系(3)のように拡張されます。βx,βyは学習率であり学習のタイムスケールを定めます。この系ではXはXとYの行動を把握しているが、YはXの行動の情報を持たない、といった非対称な情報構造に応じたゲーム力学系の振る舞いの変化を考察しました。 (C)連続ゲーム力学系への拡張:行動が連続無限の系の場合、その上の確率密度関数を混合戦略としてモデル化します。記憶は拡散的に損失すると仮定すると、拡張モデルは反応拡散系に類する偏微分方程式系となります。
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Research Products
(4 results)