2009 Fiscal Year Annual Research Report
推論則を用いた知識と最適化の融合によるクラスタ解析手法の高度化
Project/Area Number |
21500212
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
遠藤 靖典 University of Tsukuba, 大学院・システム情報工学研究科, 准教授 (10267396)
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Keywords | クラスタリング / 不確実性 / 許容 / 知識 / 最適化 |
Research Abstract |
クラスタ解析に関する研究は、古くから多くの研究者の学問上の興味の対象となってきただけでなく、パターン認識を中心とした分野への応用が期待されてきた。そして現在では、当初想定されていたよりもはるかに広い分野において利用されている。しかし、現在我々が手にしているアルゴリズムでは、現在の複雑かつ大規模なデータの処理には限界があり、特に、不確実性を持つような情報・データに関しては、これまでのクラスタ解析アルゴリズムでは、実用的で適切な処理をすることはできない。そこで、本研究課題では、まず、データやそれを扱う人間に含まれる不確実性をモデル化し、人間の持つ知識を抽出・定式化することによって知識ベースを構築する。次に、ファジィ推論に代表される人間の持つ柔軟な判断を定式化した推論則を取り入れることにより、知識ベースをデータ処理技法の基礎となる最適化問題に融合させた、知識-推論-最適化によるデータ処理のモデルを構成する。その上で、構成したモデルに基づいて、特に不確実データに対する、クラスタ解析アルゴリズムを中心とするデータ解析のためのツールの高度化を行う。本年度は、以下に挙げる各研究内容について実施した。(1)本研究課題全体の詳細計画を確認した。また、協力を仰ぐ専門家、研究補助者への連絡を行い、本年度全体の計画が速やかに行われるための体制を確立した。(2)計算機により,すでに提案されている不確実性を伴うデータに対するクラスタ解析アルゴリズムを実装し、計算時間や有効性の検討を行った。また、それぞれのアルゴリズムに対する問題点を抽出した。(3)不確実性のモデルを検討しなおした。(4)データ解析において人間が利用する知識に関する調査を開始した。
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