2010 Fiscal Year Annual Research Report
特異摂動系の分岐理論に基づく心筋細胞興奮ダイナミクスとパラメータ感受性の徹底解明
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21500216
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
土居 伸二 京都大学, 工学研究科, 教授 (50217600)
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Keywords | 心臓ペースメーカ / Zhangモデル / 分岐解析 / 活動電位 / イオンチャネル |
Research Abstract |
代表的分岐解析ソフトウェアであるAUTOを使用し,心臓洞房結節のペースメーカ細胞に関するHH型モデル(Zhangモデル)の大域的分岐構造を網羅的・包括的に解析することで,これら心筋細胞のパラメータ感受性(ひいては薬物感受性)の解明を試みた 洞房結節は自発的に活動電位を発生する心臓ペースメーカであり,最も重要な心筋である.昨年度までは,代表的な洞房結節細胞モデルであるが比較的単純であるYanagihara-Noma-Irisawa (YNI)モデル(Yanagihara et al., 1980)と詳細なZhangモデル(Zhang et al., 2000)の解析を行った.今年度はZhangモデルでの残りの解析を完成させた.解析結果がモデルに依存する可能性があるので,モデル間の結果の比較検討を行った.特に,2つのモデルに対して,イオンチャネルのコンダクタンス変化に対する振動周期の変動性を詳細に比較した.その結果,モデル間で対応するイオンチャネルについては,その薬物感受性の強さが一致していることを確認できた.以上の結果から,(洞性)不整脈の予測診断・治療に有益な薬物感受性などの知見を得ることができた.また,心臓洞房結節の細胞間結合態様を調べるための文献調査を行った上で,手始めに単純なYNIモデル用いて,単一細胞の解析だけでなく細胞の結合系の解析を開始した
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