2011 Fiscal Year Annual Research Report
適応型粒子群最適化法の構築とスイッチ力学系のパラメータ最適化
Project/Area Number |
21500223
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Research Institution | Hosei University |
Principal Investigator |
斉藤 利通 法政大学, 理工学部, 教授 (30178496)
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Keywords | 群知能 / カオス / 分岐 / スイッチ力学系 |
Research Abstract |
21-22年度は、問題の規模や複雑さに依存し、粒子数、トポロジー、次元が柔軟に変化するPSOを開発し典型的な問題に適用してその性能を検討した。多目的最適化問題では、各目的関数を論理演算で結合したハイブリッ適合度を導入しその有効性を検討した。本年度はさらに以下のような成果を得た。 太陽電池から効率よく電力を抽出して負荷に供給するスイッチングコンバータ回路へ応用するための基礎研究を行った。まず、同回路の簡略モデルを導入し、系が安定に動作するパラメータを探索するための評価関数と、最大電力を供給するパラメータを探索するための評価関数を導出した。その2つの評価関数をハイブリッド適合度にまとめて記述してPSOを適用し、従来の手法よりも効率よく探索できることを確認した。特に、2つの評価関数を線形結合する方法や、全探索を用いる方法では、探索効率は著しく劣化する。そのような方法では、探索空間が広がると、探索は実質的に不可能となる。これに対し、PSOを用いた手法は、探索空間がかなり広くなっても、探索が可能性があることが示唆された。 古典的なPSOでは、乱数パラメータを含む多くのパラメータの調節が必要であり、試行錯誤に頼らざるをえない場合が多い。複数解探索(MSS)などを行う場合は、特に複雑なパラメータ調整が必要である。この問題を解決するために、離散化された探索空間で動作する簡素なPSOを開発した。離散的探索空間内で複数解を探索するために、まず解を一つだけ含む部分領域を構成し、次に各々の部分領域で探索を行う入れ子構造のアルゴリズムである。基本的な例題で、従来の手法よりかなり効率よく探索できることが明らかになった。さらに、粒子同士の衝突や、粒子位置更新を鈍感に行う方法などを導入し、そのアルゴリズムが、局所最小値からの脱出や、MSSに有効であることを、基本問題で確認した。
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