2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21500231
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
富田 康治 National Institute of Advanced Industrial Science and Technology, 知能システム研究部門, 主任研究員 (80357574)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
黒河 治久 独立行政法人産業技術総合研究所, 知能システム研究部門, 主任研究員 (70356947)
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Keywords | グラフ / セルオートマトン / 自己組織化 / 複雑系 / 動的ネットワーク |
Research Abstract |
グラフオートマトンは、動作を行って構造を変更するルールと、ルールの適用を制約する構造との間の相互作用を記述する数理モデルである。これは静的な格子構造の上での格子点における状態変化を扱うセルオートマトンを、動的なグラフ構造に拡張したものといえ、より豊かな表現力をもつ。ここでは、各ノードが状態をもち、他の三つのノードと隣接するように制限されたグラフ構造を想定している。また、各ノードに接続しているエッジ間に循環順序を仮定する。セルオートマトンと同様、初期グラフと局所的なルールセットからグラフの発展過程が一意に定まる。このような枠組みの元で、ある条件を満たす任意のグラフが二つ与えられた時、一方から他方に書き換えるルールセットが存在することを示した。元の枠組みがこの性質をもつことは、自己組織化を考える際には有益である。具体的には、そのようなグラフから、相異なる状態をもつ4ノードの構造に書き換えられ、逆向きの書き換えも可能であることを示した。実際には、4ノードの構造を経由せずとも、ある種の正規形を用いることにより、ノード数の増減を少なくすることもできる。また、このようなモデルにおいては、可逆的であること、すなわち遷移後の状態から遷移前の状態が一意に決まることが重要な場合がある。そこで可逆的なシステムへの拡張について検討を行った。ここでは簡単のため、分割セルオートマトンにならって各ノードが3つの部分に分割された場合を考えたが、初期的な段階であり、有用な計算を実行させるための拡張などは今後の課題として残った。さらに、シミュレータに関して、次年度以降に向けて改良を行った。
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