2011 Fiscal Year Annual Research Report
生涯学習機関としての北欧公共図書館の役割に関する実証的研究
Project/Area Number |
21500234
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
吉田 右子 筑波大学, 図書館情報メディア系, 教授 (30292569)
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Keywords | 公共図書館 / 北欧 / デンマーク / スウェーデン / ノルウェー / 生涯学習 |
Research Abstract |
平成23年度は、北欧諸国の公共図書館の歴史・制度・サービスに関する全体的な状況を総合的な視野からまとめる作業を前年度に引き続き行った。その中で北欧公共図書館サービスの最前線を把握するため、2011年8月27日から9月7日までノルウェーのオスロ、イェービク、ドランメンにおいて、指導的役割を果たしている公共図書館を訪問し、図書館専門職員を対象に先端的なサービスについてインタビュー調査を行った。またスウェーデン在住の図書館専門職員とメールでコンタクトを取りながら、スウェーデンの公共図書館の最新状況について調査を進めた。さらにこれらの成果を書籍の形にまとめる作業を行なった。スウェーデンおよびノルウェーの公共図書館を主題とする単行書の刊行に向けて、最終的な調整作業を行っている。 本研究の目的は、生涯学習機関としての北欧公共図書館の役割に関する実証的な調査を行うことで、北欧の公共図書館を日本の公共図書館サービスの参照モデルとして位置づけることであった。調査を通じて、理念・実践両面での共通点・相違点を明らかにすると共に、デジタル化が進む図書館界に共通する公共図書館の将来的な在り方に関し、図書館サービスを踏まえた利用者の自発的な活動や、図書館が持つコミュニティ構築機能に着目することで、21世紀の公共図書館の可能的様態についても検討を進めた。 本研究の成果を図書館関係者と共有するため、藤枝市立駅南図書館(2011年5月15日)、大磯町立図書館(2011年10月1日)、鎌倉市中央図書館(2011年10月30日)、東京子ども図書館(2011年11月11日)、小布施町立図書館(2011年12月2日)の5カ所で講演を行った。また武蔵野地域自由大学講座2011(2011年11月)において北欧の図書館について4回の講義を担当し、現地調査の成果を発表したほか、東京子ども図書館の機関誌『こどもとしょかん』に北欧の図書館に関する記事を寄稿した。
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