2011 Fiscal Year Annual Research Report
文字スポッティングを導入した情景中の文字情報探索システムの開発
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21500244
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Research Institution | Nara National College of Technology |
Principal Investigator |
松尾 賢一 奈良工業高等専門学校, 情報工学科, 教授 (10259913)
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Keywords | 文字スポッティング / 文字情報探索 / 情景画像 / パンチルトカメラ / OCR / 文字認識 |
Research Abstract |
我々の日常の行動において,何気ない情景中から文字情報を見つけ出し,それを理解して利用することが多い.また,文字情報が障害物や遠方で読むことが困難である場合,視点を変えたり,見えるところまで移動して文字情報を取得することもある.本研究では,我々が文字情報を取得する何気ない行動プロセスを,OCRを用いた情景中の文字パターンを認識するシステムに導入することを目的としている.この目的を達成するために,情景中に文字情報が存在するか否かの判定も含め,文字情報が存在するであろうと考えられる位置や領域に対して着目する技術の開発を行っている.具体的には,文字スポッテング(着目)エンジンをパソコンに組み込み,パンチルトカメラで入力された情景画像に対して,文字が存在しうる領域に着目し,その領域付近をパンチルトカメラで画像の再入力を行い,その領域内に含まれる文字パターンに対する認識率を向上させることを目指している. 研究の目的に対して,平成23年度は,情景に文字が存在する可能性の高い領域に対して,パンチルトズームカメラで着目させる手法を提案し,その有効性について検討した.研究成果としては,大局的な文字情報への着目方法として,文字が存在しうる領域を文字が持つ普遍的特徴を画像中の局所領域内に対して4つの特徴量(濃度ヒストグラム分布,色情報,周波数成分,複雑度)で分析し,分析結果から文字領域候補となる局所領域に対して,カメラをズームさせる(文字スポッティング)ことで文字認識可能な画質をもつ文字パターンを得るアルゴリズムとその性能評価を実施した. 以上の研究について,4件の口頭発表を実施した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究の目的である情景画像中の文字情報に対してOCRを適用させるための文字情報だけに着目する基本手法を考案することができた.結果として,現状の基本手法ではまだ実用に耐えうるだけの性能が得られていないため,今後は手法内容(特徴量やアルゴリズム)の精査が必要である.
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Strategy for Future Research Activity |
提案手法を自走ロボットに組み込んで,文字情報を情景中から探索し,探索された文字情報の意味を理解させ,行動様式にフィードバックさせる研究に内容が進展していくが,現在自走ロボットのコントロール方法の分析に時間がとられている現状である.その間に,提案手法である文字情報の着目アルゴリズムの改良を行い,着目性能を向上させることを重点的に研究していくと同時に,自走ロボットによって取り込まれた情景画像に対する着目アルゴリズムの性能評価についての調査も実施する.
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