2011 Fiscal Year Annual Research Report
イノベーションのための企業構造改革における知的財産情報マネジメント
Project/Area Number |
21500246
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
佐伯 とも子 東京工業大学, 大学院・イノベーションマネジメント研究科, 教授 (40397055)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮垣 聡 東京工業大学, 大学院・イノベーションマネジメント研究科, 客員教授 (60467032)
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Keywords | 図書館情報学 / 情報マネジメント / 知的財産情報 / 企業構造改革 / 買収合併 |
Research Abstract |
これまでの調査分析結果から、買収合併(M&A)に代表される企業の構造改革における知的財産情報のマネジメント手法を策定した。 企業の構造改革:として、特に買収合併のプロセスにおける知的財産マネジメントの項目を具体化しそれらの重要度を評価するとともに、プロセスでの段階毎の知的財産管理部門の関与の重視度と実施度の対比を行った。M&Aの目的を知的財産マネジメント部門の視点から(1)製品分野・事業の規模の拡大、(2)技術獲得による製品分野・事業分野の強化、(3)新規事業の獲得、と整理分類したが、これら複数目的の場合も存在している。マネジメントの対象項目では、「知的財産管理手法の統一」など知的財産全体として把握すべき項目と、「相手方の特許権の価値評価」「特許出願・権利件数の増減」など特許として対象を特定すべき項目があり、それらを区分けした。これら10項目についての評価としては、M&Aの目的別や事業分野別で明確な差異はみられず、全体としてM&Aの事前での項目である特許情報や特許権・ライセンス情報の入手、特許権の価値評価などが、M&Aの事後での項目グローバル特許戦略などより重視されており、事前のマネジメントに注力すべきであることがわかった。プロセスを10段階に分けて、知的財産マネジメント部門のM&A戦略、ターゲット選定時での関与が課題であることを示すとともに、知的財産マネジメント部門同志の部門別会議の実施が課題であることを示すことができた。これらに加えて、知的財産情報をはじめとする知的財産のマネジメントの重要性を知的財産管理部門が情報発信し、より積極的な関与と活動を行うべき点が指摘できる。 これらの手法における項目、プロセス管理、課題は、従来明確に知的財産情報マネジメントとして示されていなかったものであり、企業においてM&Aなどの構造改革における知的財産情報のマネジメントを効率的に行う上で有用である。
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Research Products
(4 results)