2009 Fiscal Year Annual Research Report
由緒帳データベースによる藩制組織構造の解明に関する提案
Project/Area Number |
21500247
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Research Institution | Japan Advanced Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
堀井 洋 Japan Advanced Institute of Science and Technology, 知識科学研究科, 助教 (40372495)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中野 節子 金沢大学, 歴史言語文化学系, 教授 (60019338)
林 正治 一橋大学, 情報基盤センター, 助教 (90552084)
宮下 和幸 北陸先端科学技術大学院大学, 知識科学研究科, 産学官連携研究員 (40535663)
沢田 史子 金沢星稜大学, 総合研究所, 研究員 (20456429)
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Keywords | 歴中情報 / 情報システム / 日本史 / 人文データベース |
Research Abstract |
本研究では、近世加賀藩家臣団の網羅的な記録である「先祖由緒井一類附帳」(金沢市立玉川図書館近世史料館所蔵、以下「由緒帳」)を対象として、藩制組織の統計的かつ客観的な全容解明を目的とする。平成21年度は、以下の2点についてデータベース化を実施した。第一に、「由緒帳」作成者に着目した構成家臣の分析である。その主たる目的は、(1)加賀藩士(直臣)か、陪臣(藩士の家臣)か、あるいは大聖寺藩士かその他か、その所属を明確にする、(2)加賀藩士については、身分・階層を明らかにする、(3)陪臣は、仕えていた主人名を明示するの3点である。本分析に際してデーターベースとして入力したものは、家別の頭文字「あ」行から「の」行(帙437)まで、人数は7,742人分であり、全体の65.8%である。その結果、所属別の内訳では、加賀藩士4,078人、陪臣3,579人、大聖寺藩士79人、その他、少数ながら、富山藩士2人(杏敏次郎・小塚太郎八)、神主1人(斎藤政明、黒津船神主)、金沢町人1人(片岡孫兵衛、散算用聞)、小松町人1人(篠原与左衛門、小松絹道組頭等)が含まれており、また、断簡であるために藩士か陪臣か不明が1人(今村耕作)いる。全体に占める割合は、藩士52.7%、陪臣46.2%であることが明らかとなった。第二には、「由緒帳」中の上級家臣(人持組)部分について、画像テータの撮影と記述内容の解読を実施した。本分析では、それぞれの家系に着目し、個人の詳細と役職の変遷についての解明を目指している。個人の詳細については、名前(名字・氏姓・いみな・読み仮名・通称等)、当主との続柄、出身・肩書・本国・生国・菩提寺・没年月日および年齢・由緒帳の提出年月および年齢が解読の対象である。役職の変遷については、役職・賞罰に関する事項を開始年月、内容、終了年月の解読を進めている。
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Research Products
(3 results)