2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21500249
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Research Institution | Wako University |
Principal Investigator |
小林 稔 和光大学, 経済経営学部, 教授 (50287926)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 雄一 防衛大学校, 人文社会科学群, 教授 (20296312)
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Keywords | 著作権 / 知的財産 / デジタル / 音楽 / プログラム / 音楽産業 / 情報サービス業 / CD |
Research Abstract |
本研究では、まず知的財産の経済価値を分析するために著作権に着目し、主に音楽CDなどデジタル化された著作物から、研究対象とする著作物を選択し、当該著作物の著作権者である企業の財務データの分析、取材調査などを通して当該著作物の経済価値の推定を行う。その第一段階としては、著作権者である企業の経営上重要な著作物を対象として、当該著作物が企業の売上高、コスト、利益などに与える影響を有価証券報告書や取材調査から推定し、その結果を用いて当該著作物の経済価値を分析する。具体的には、当該著作物による増収効果、当該著作物を保護するためのコスト、増収効果と著作権に関わるコストから算出される利益の増加分などから当該著作物の経済価値を分析していくことを目標としている。平成22年度は、分析対象を音楽CDなどデジタル化された著作物として、その著作権及び企業のデータを詳細な資料調査や有価証券報告書などから収集し、著作権の経済価値を分析した。また、インターネット上で公開されているYouTubeなどの投稿サイトが著作物である音楽CDの売上にどのような影響を与えているのかについて、関連するデータの収集を行い分析検討した。その結果では、投稿サイトが音楽CDの売上に与える影響は大きなものであることが分かってきた。さらに、国外の企業の著作権戦略について資料収集を行い、国内企業と著作権に関する戦略の相違について検討を加えた。平成23年度は、21~22年度の研究を通して作成した著作権の経済価値計測のための分析モデルとこれまでに収集したデータを用いて、著作権の経済価値を詳細に分析していく。そして、様々な経済的、技術的背景を考慮しつつ、著作権の経済的ポテンシャルを再考する。以上の結果から、著作権が経済構造へ与える影響について検証し、今後の知的財産戦略について考察する。
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