2012 Fiscal Year Annual Research Report
例規条項の自治体間対応関係と差異の網羅的な自動抽出ー道州制への円滑な移行に向けて
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21500253
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Research Institution | Dokkyo University |
Principal Investigator |
若尾 岳志 獨協大学, 法学部, 准教授 (50388328)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
竹中 要一 大阪大学, 情報科学研究科, 准教授 (00324830)
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Project Period (FY) |
2009-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 例規 / 都道府県 / 道州制 / 地方分権 / 計算機 / 自動抽出 / アライメント / 言語処理 |
Research Abstract |
本研究では、例規集の自治体間、特に都道府県間の差異を明確化させる事により、将来の道州制移行時の例規統合にかかる工数削減に貢献する事を目的とする。そのために、コンピュータを用いて例規の類似性及び、類似した例規に置ける条項レベルの相違点を明確化する方法を確立させる。 これまで文字レベル、単語レベルにおける類似性判定を行う複数のアルゴリズムを構築してきた。本年度は、この研究結果を著した査読あり論文が言語処理学会論文誌「自然言語処理」において出版された。また、本年度は、任意の都道府県の各例規に対して、他都道府県で対応する例規を同定する手法についての研究を行った。同定手法としては、本年度印刷された我々の研究論文の結果を踏まえ、例規名の最長共通部分文字列長をスコアとし、他都道府県における全例規のうち最もスコアの高い例規を対応候補とした。また、このアルゴリズムを用いるため、全都道府県の例規集記載の例規集及び、各例規をXMLファイルとするデータベースを構築した。これらのXMLファイル群はそれぞれ下記ウェブサイトにて公開している。 例規XMLファイル群 http://www-mats.ist.osaka-u.ac.jp/~takenaka/research/legalinfo/reikiXML/ 例規集XMLファイル群 http://www-mats.ist.osaka-u.ac.jp/~takenaka/research/legalinfo/reikisyuuXML/ また、全都道府県の対応例規の結果の一部、及びそれを表示するソフトウェアのサンプルを下記ウェブサイトにて公開している。 http://www-mats.ist.osaka-u.ac.jp/~takenaka/research/legalinfo/taiouReikiSample/reiki.html
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
例規集の自治体間比較を行う事を目的とし、今年度までの研究期間で二例規の条文の対応関係を推定するためのアルゴリズムに対する研究成果を査読付き論文誌に出版できた事、そして全都道府県の例規集及び例規のXMLファイルデータベースを公開できたため、順調に推移しているといえる。また、全都道府県の対応例規の結果の一部、及びそれを表示するソフトウェアのサンプルをウェブサイトにて公開できた。 ただし、データベースに登録された内容に一部不備がある。また、全都道府県の対応例規の結果もまだ改善していく余地が残されている。しかし、全体の進行状況からすると許容範囲だと判断し、②おおむね順調に進展しているを選択した。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の推進方策についての大きな変更点は存在しない。今後も例規集の自治体間の差異を明確にさせる事を目的とする研究を遂行していく。例規集の差異を明らかにするためには、例規集に含まれる例規間の対応関係と、例規に含まれる条項号間の対応関係というレベルの異なる2つの対応関係が存在する。 来年度では、例規集対応関係のデータベースを構築していくにあたり、後者に関する研究を重点的に行う。またXMLファイルデータベースの完全化に向けた作業、結果を閲覧するためのソフトウェアの構築も併せて行っていく。
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