2010 Fiscal Year Annual Research Report
音楽的音高の聴覚表象と音高符号化の相互作用に関する研究
Project/Area Number |
21500256
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
宮崎 謙一 新潟大学, 人文社会・教育科学系, 教授 (90133579)
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Keywords | 認知的干渉 / Garner干渉課題 / 感覚次元の独立性と統合性 / 音楽的音高 / 絶対音感 / 相対音感 / 言語的符号化 |
Research Abstract |
これまでの聴覚的ストループ効果の実験で,音楽的音高カテゴリーと音高名の間に認知的相互作用が起こること,そしてその効果は音楽訓練を受けた被験者群で顕著に見られることが示唆された.そこでこの相互作用が感覚次元の相互作用と同等のものかどうかを確かめるために,感覚次元の分離性を調べる方法であるGarner干渉課題を用いた実験を行った.音高と音高名の2次元における2値(歌われた音階のレとミの音高×発音された階名レとミ)を組み合わせた4刺激を提示し,実験参加者は非関連次元は無視して,関連次元の値に関して刺激を,口頭反応またはキー押し反応することによって分類した.非関連次元の値が一定のbaseline条件にくらべて,その値が変動するfiltering条件では,反応時間が長くなる傾向が,特に音楽訓練群において顕著に見られた,この結果から,音楽訓練を受けた被験者,特に絶対音感を持つ被験者では,音高と音高名が統合次元として処理されていることが示唆された.この結果は,絶対音感を持つ人々では,知覚された音高とその言語的名称が相互に影響し合うというこれまでの実験結果と一致するものである.また絶対音感保有者が非保有者にくらべて特異な音楽的音高処理を示すことが示されたことから,絶対音感保有者が音楽経験者の間にどのくらいの割合でいるのかという問題が新たに浮かび上がってきた.そこで,音楽専攻の大学生,および音楽専攻科に在籍する高校生を対象にして,絶対音感と相対音感のテストを実施した.その結果,音楽専攻学生のおよそ1/3は正答率90%以上の正確な絶対音感を持つことが明らかになった.
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[Presentation] The Myths of Absolute Pitch2010
Author(s)
Miyazaki K.
Organizer
Distinguished Lecture Series, Korean Society of Music Perception and Cognition
Place of Presentation
Seoul National University(大韓民国)
Year and Date
2010-10-02