2009 Fiscal Year Annual Research Report
対話に潜むパターンを探り当てる手法の開発:動的類似尺度を用いるアプローチ
Project/Area Number |
21500266
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
井上 雅史 Yamagata University, 大学院・理工学研究科, 助教 (50390597)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
花田 里欧子 京都教育大, 教育学部, 准教授 (10418585)
古山 宣洋 国立情報学研究所, 情報社会相関研究系, 准教授 (20333544)
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Keywords | 対話 / 類似尺度 / パターン / マルチモーダル / インタラクション |
Research Abstract |
本研究では,動的な類似尺度の利用により複数の対話をグループ化し,共通するパターンを見出すことに取り組む.話題が多様かつ場面ごとに有様が異なる非定型な構造を持つような複雑な対話は,これまで類似性の定量的な把握が困難であった.そこで,話題が多様である対話を対比させるために,話者のスタイルを反映する動的な特徴として,カテゴリ化された行為の遷移傾向を利用する.また,構造に非定型性のある対話間の関係を捉えるために,対話の進行状況によって類似尺度中の各特徴の重みを場面に応じて変化させる.以上により,現実社会の複雑な対話を対象としたパターンの発見を可能とする. 本年度は,コーディング対象となりうる対話を捉える観点の中で,身振りとセラピストの発話種別に焦点を当てた.一定の規則性や依存関係をパターンとして抽出するために,様々にタイプ分けされた発話や身振りの使用頻度や使用パターンに基づき,複数の対話データを類別した.その結果,対話のパターンが身振り情報を考慮に入れることで,明確化されることが分かった.また,話者の対話技能と,パターン形成の度合いとが関連する可能性も示唆された. その一方で,対話の時間発展に伴うパターンの変化は,一連の対話中で起こった物理的なセッションの分割でとらえるだけでは十分ではなく,意味的な分割の必要性が示唆された.どのような時間区分を考慮すべきかという課題が新たに浮かび上がってきたといえる.
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Research Products
(3 results)