2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21500273
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Research Institution | The University of Electro-Communications |
Principal Investigator |
山本 渉 The University of Electro-Communications, 電気通信学部, 講師 (30303027)
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Keywords | 信頼性工学 / 負荷分散 / k-out-of-n |
Research Abstract |
n個のコンポーネントからなる負荷分散型のシステムの論理構成にk-out-of-n論理構成を用いる、k-out-of-n型負荷分散システムは、多くの負荷分散の状況でシステムの運用や劣化したコンポーネントの交換を検討する際に有用なモデルである。本研究では、このシステムの理論的性質の検討に、コンポーネントごとに尺度母数族の寿命分布を仮定して負荷量と尺度母数の関係をモデル化する、加速寿命試験モデルを用い、負荷量の変化と寿命分布の関係に累積損傷則を仮定する。システムへの負荷の総量がコンポーネント単位の負荷の制約条件となる点が、ステップストレス試験とは異なるが、区分線形劣化モデルで検討できる点は共通である。 我々は、全コンポーネントがある一定の信頼水準に到達するまでの時間をできるだけ長くする負荷配分を提案しているが、昨年度は、これまでの研究成果を、次のように拡張することを検討した。(A)負荷量と尺度母数の関係を単調非減少関数に拡張して、参考文献[7]でk=1の場合のみに得られた性質を検討した。下に凸の場合と上に凸の場合に分けて検討することについて、k=1の場合に得られている成果を参考に、k>1の場合の数値計算による検討を行った。現在は引き続き数値計算を進めながら、理論的な見通しを立てているところである。(B)コンポーネントの劣化量もしくは劣化量の代替量が観測される状況をモデル化し、劣化量の断続的な観測に基づく最適負荷配分とその統計的性質を検討することについて、文献の精査、並びに単純な状況を想定した最適配分の探索など、理論的な検討の準備を進めた。(C)これまではコンポーネントごとの負荷量に制限を置いてこなかったが、現実には各コンポーネントが対応できる負荷には上限があるので、制約付きの最適配分問題と捉えた場合の検討についても、準備を進めた。
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