2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21500273
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Research Institution | The University of Electro-Communications |
Principal Investigator |
山本 渉 電気通信大学, 情報理工学研究科, 講師 (30303027)
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Keywords | 信頼性工学 / 負荷分散 / k-out-of-n |
Research Abstract |
n個のコンポーネントからなる負荷分散型のシステムの論理構成にk-out-of-n論理構成を用いる、k-out-of-n型負荷分散システムは、多くの負荷分散の状況でシステムの運用や劣化したコンポーネントの交換を検討する際に有用なモデルである。本研究では、このシステムの理論的性質の検討に、コンポーネントごとに尺度母数族の寿命分布を仮定して負荷量と尺度母数の関係をモデル化する、加速寿命試験モデルを用い、負荷量の変化と寿命分布の関係に累積損傷則を仮定する。システムへの負荷の総量がコンポーネント単位の負荷の制約条件となる点が、ステップストレス試験とな異なるが、区分線形劣化モデルで検討できる点は共通である。 今年度も(A)負荷量と尺度母数の関係を単調非減少関数に拡張して、参考文献[7]でk=1の場合のみに得られた性質を検討すること、(B)コンポーネントの劣化量もしくは劣化量の代替量が観測される状況をモデル化し、劣化量の断続的な観測に基づく最適負荷配分とその統計的性質を検討すること、の2点を主に検討し、(A)については冪関数族の場合の数値的な検討を進め、n=3までの場合については見通しを得、またシミュレーションのための数理モデルの構築を行ったが、公表には至っていない。またこれについて、時間軸の取り方についての補足的な研究を行った。(B)については1観測される量とそれに基づく意思決定に、ベイズ統計学の援用を検討した。まずはベイズ統計学についての知見を深めるべく、まずは幾つかの実際的な問題に適用し、良い感触を得た。(C)コンポーネントごとの負荷量に制限を加える、という課題については、(A)を少し一般化することで対応できそうな感触は得ているが、引き続き検討を要する。状況である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
数値計算の検討も進み、学会発表はできはじめたものの、補足的な研究を要したり、論文としての公表に至っていないので、やや遅れていると判断する。
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Strategy for Future Research Activity |
概要に記した(A)についてはべき関数の場合の数値的な検討を引き続き推進する。(B)についてはベイズ統計学について一定の経験を得たので、それの援用を試みる。(C)は(A)と(B)を進める中で、考慮に入れながら、検討を進める。
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