2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21500282
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Research Institution | Seijo University |
Principal Investigator |
塚原 英敦 成城大学, 経済学部, 教授 (10282550)
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Keywords | リスク管理 / 金融工学 / 統計数学 / ファイナンス |
Research Abstract |
より広範囲の分布・モデルの下で,ストレステストにおけるシミュレーションを行う方法を考案し,統計的に正当なバックテストの方法を数値的に検討した.その理論的な正当化は現在検討中であり,今後の研究課題となる. リスク尺度の統計的推定については,データがミキシング性を満たす弱従属性をもつ時系列データである場合について,Moving Blockブートストラップ法を用いた漸近分散の推定量およびバイアス補正法を開発し,その漸近的一致性などを示すとともに,シミュレーションで実際上の有効性を確かめた. 歪みリスク尺度を用いた資本配分の話題について,オイラー配分原理のMATLABコードを開発し,様々な歪みリスク尺度を用いてシミュレーションによる数値的比較を行った.ガウス接合関数は固定し,周辺分布がt分布,一般化パレート分布の場合を考えたが,はっきりとした説明のつく結果は部分的にしか得られなかった.ただし,比例オッズ・期待ショートフォールによる配分と比例ハザード・ガウス尺度による配分の間には明らかな相違がみられた.それは分散化指数による比較についても同様であった.ポートフォリオ最適化のMATLABコードは現在開発中である. アルキメデス型接合関数の数学的な構造に関する命題の証明や,その統計的応用可能性について,様々な問題点や解決に向けてのアプローチの方法を提案した. 8月にアイルランドのダブリンで行われる国際統計協会(International Statistical Institute)のWorld Statistics Congressに出席し,歪みリスク尺度の推定に関する研究成果を発表した.さらに,ミュンヘンで開かれたCEQURA Conferenceで,現在行っているリスク管理への応用に関する研究について,研究発表した.
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