2010 Fiscal Year Annual Research Report
高次元データを解析するための多変量統計モデルと統計的推測手法の理論研究とその応用
Project/Area Number |
21500283
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Research Institution | Japan Women's University |
Principal Investigator |
今野 良彦 日本女子大学, 理学部, 教授 (00205577)
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Keywords | 多変量解析 / 推測理論 / Stein問題 / ウィシャート分布 / 高次元データ |
Research Abstract |
統計的多変量解析の出発点は,J.Wishartによるいわゆるウィシャート分布の一般形の導出の成功においてである.ウィシャート分布は,大規模ランダム行列理論においても中心的なモデルのひとつである.多変量解析の出発点であるウィシャート分布は,統計的多変量解析の理論において果たした役割はいうに及ばず,数論や理論物理等において分野横断的に研究対象とされる素材であり,この分布の拡張とこの分布を基にした新たな統計的最適理論を古典的な観点を超える形で研究を進めた.さらに,科学技術の急速な発展により,遺伝学研究におけるマイクロアレイデータ,量的形質座位の解析,蛋白・プロテオーム解析,金融工学における株値データ,移動通信やSAR(synthetic aperture radar system)データの解析,顔認証システムにおける画像データのような新しいタイプのデータ(標本数よりもデータの次元数がより高い)に対する統計モデリングと推測手法の理論の本質的な展開(古典的な枠組みを超えたもの)の必要性を鑑み,標本数よりもデータの次元数がより高いタイプのデータに基づく具体的な問題に対する具体的な解析手法の理論の研究を進めた.とくに,本年度は,複素ウィシャート分布のスケール行列の推定問題を不変な2乗損失もとで考え,経験共分散行列と単位行列の一次結合の形の推定量の危険関数(推定量の精度を測る指標)の不偏推定量を導出することにより,改良型推定量を求めた.また,複素正規分布の平均行列の推定問題を自乗損失関数を不変化したもののもとで考えて,縮小型推定量の族を導出するために有効な危険関数の不偏推定量を導出することができたが,この結果については発表の準備中である.
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Research Products
(3 results)