2012 Fiscal Year Annual Research Report
高次元データを解析するための多変量統計モデルと統計的推測手法の理論研究とその応用
Project/Area Number |
21500283
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Research Institution | Japan Women's University |
Principal Investigator |
今野 良彦 日本女子大学, 理学部, 教授 (00205577)
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Project Period (FY) |
2009-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | トランケートデータ / ウィシャート分布 / 等質錐 |
Research Abstract |
統計的多変量解析は,相関があると考えられる多変量の観測データを分析する手法の理論の体系である.科学技術の急速な発展から新しいタイプのデータを解析(たとえば,遺伝学研究におけるマイクロアレイデータと量的形質座位の解析等が典型的な例)するために,古典的な多変量解析の理論的な枠組みを超えて,モデリングと統計推測手法の研究を展開する必要がある.本研究では,分野横断的な数理理論を援用することにより,統計的多変量解析の古典的な理論を超えた体系的かつ一般的な推測理論を構築することを目的として研究を進めた結果下記の成果を得た. (1) 2 次元の確率ベクトルが,第一変数が第二変数よりも小さいときにのみに,観測される ような状況を考える.このようなデータを左トランケートされたデータと呼ばれ,教育や心理学データなどに実際例がある.近年,このタイプのデータにふたつの変数間に相関を考慮したパラメトリックモデルを当てはめることこを試みる研究が行われている.しかし,ふたつの変量間の従属構造が統計解析手法に複雑に作用するために,コルモゴロフ・スミルノフ検定統計量のような適合度検定に対する棄却域をブートストラップアルゴリズムにより求めることは計算時間の観点から困難な面がある.そこで,計算時間のより少ないアルゴリズムを考案し,コルモゴロフ・スミルノフ検定統計量のような適合度検定に対する棄却域を求める手法を提案した.さらに,モンテ・カルロ数値実験によって,提案したアルゴリズムがうまく働くことを確認した. (2) ウィシャート分布モデルを等質錐上の分布に拡張した一般化ウィシャート分布族は,古典的な多変量モデルを含むので,非常に重要である.また,等質錐の性質から,推移的に作用する群が存在するので,一般的な扱いが可能である.共分散の行列にも推移的な群作用が存在する仮説検定問題がボックスクラスであることを証明した.
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(2 results)