2009 Fiscal Year Annual Research Report
多様な解像度を持つ多変量時系列データからの現象モデリング
Project/Area Number |
21500287
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Research Institution | The Institute of Statistical Mathematics |
Principal Investigator |
川崎 能典 The Institute of Statistical Mathematics, モデリング研究系, 准教授 (70249910)
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Keywords | 多変量時系列 / 非同期観測 / 正則化 / 関数データ解析 / MIDAS回帰 / 点過程 / 不等間隔データ |
Research Abstract |
本研究の目的は、データの採取条件によって観測頻度(時間間隔)が異なったり、観測間隔が不規則にしか得られなかったりするような、異なる時間解像度からなる時系列データ群に関する、システム接近型の統計的モデリングを研究することである。H21年度は、為替のティックデータに基づき、取引の生起度をモデル化するための点過程モデルの開発を行った。実際の取引とクォートが区別できるようなデータが利用可能になったことも相まって、クォートと取引という二つの不等間隔データの相互依存関係を分析するツールが出来上がった。これにより、非同期観測のデータ間の相互依存関係を分析することが可能になったが、次年度以降は点過程に付随するマーク(事象発生と同時に得られる観測値、たとえば為替データの場合であれば取引量など)を利用して、生起度を表す関数の中に組み込む研究を行うことが可能になった。一方、空間的にも時間的にもデータが不等間隔に配置されている問題として、琵琶湖の水質に関する長期多変量時系列データに基づくトレンド解析を行った。また、多変量非線形時系列間の因果解析を検定する方法についても研究を行った。さらに、マクロ経済時系列のベンチマーキング(多変量時系列の相互関係を利用した、例えば年次系列からの四半期系列の生成)に関する先行研究を調査し、次年度に向けた準備を行った。また、統計モデリングにおいて応答が非線形の場合の要因探索に関する研究も行った。
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