2011 Fiscal Year Annual Research Report
多様な解像度を持つ多変量時系列データからの現象モデリング
Project/Area Number |
21500287
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Research Institution | The Institute of Statistical Mathematics |
Principal Investigator |
川崎 能典 統計数理研究所, モデリング研究系, 准教授 (70249910)
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Keywords | 多変量時系列 / 非同期観測 / 正則化 / 関数データ解析 / ベンチマーク法 / 点過程 / 不等間隔データ |
Research Abstract |
本研究の目的は、データの取得条件によって観測頻度(時間間隔)が異なったり、観測間隔が不等間隔でしか得られなかったりするような、異なる時間解像度からなる時系列データ群に関する、システム接近型の統計的モデリングを研究することである。H23年度は、当初H24年度に続いてマクロ経済時系列におけるベンチマーク問題(多変量時系列データの相互依存関係を利用した、例えば年次系列からの四半期系列の生成)に取り組んだ。H23年度は、日本のGDP統計でこれまで利用されてきたプロラタ法と呼ばれる比例配分法に関し、速報系列の年集計値と確報系列の作成時に推計される年次系列の差が小さくない場合には断層問題が生じている可能性を指摘したが、H24年度はプロラタ法に代わるベンチマーク法として、比例Denton法、Chow-Lin法、Fernandez法、Litterman法を、GDP統計に関連した系列の中から、設備投資系列、出荷系列(石油製品・石炭製品)をとりあげ、各種ベンチマーク法の特色の実務的含意を研究した。結果は論文として出版された。金融時系列データに関しては、観測打ち切りのある金融市場のデータ(株式、商品先物など)に対する時系列分析法を研究し、多様な時間解像度の予測ホライズンに対応する取引リスクの推定に応用し、研究発表を行った。この他、正則化を利用して回帰モデルにおける説明変数の自動グループ化を行う方法や、関数データ解析に類似の発想に基づく、非線形な関係を含む時系列モデルの定式化検定に関する研究でも成果があった。
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