2009 Fiscal Year Annual Research Report
組合せ構造を持つ多次元分布の高速計算法の開発と空間疫学への応用
Project/Area Number |
21500288
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Research Institution | The Institute of Statistical Mathematics |
Principal Investigator |
栗木 哲 The Institute of Statistical Mathematics, 推論研究系, 教授 (90195545)
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Keywords | 空間疫学 / スキャン統計量 / コーダルグラフ |
Research Abstract |
ある広領域に含まれるm個の地域i=1,…,mについて,事故数や疾病数などのデータX[i]が,地域iのスケールを表す尺度μ[i]とともに得られているとする.事故や疾病が集積する点(ホットスポット)においては,X[i]はcμ[i](cは比例定数)よりも有意に大きい値をとる.またこれらのホットスポットは単一地域にとどまらないでクラスターをなす場合が多い.そのため,隣接する地域を併合した値もスキャンの対象とし,対応するスキャン統計量を求め,多重性調整p値によって有意性を判定する必要がある. この多重性調整p値の計算のためには,ホットスポットが存在しないという帰無仮説のもとでの同時分布の計算を行うことが必要である.しかしこの計算は高次元の積分(和分)となるため,定義通りに数値計算を行うことは非現実的である.またホットスポットという稀な事象の確率を計算するためには,素朴なモンテカルロシミュレーションでは精度を出すことができない. 本研究では,このような多次元数値計算を高速に行うために,マルコフ性に基づく逐次数値積分や逐次モンテカルロ法の利用を試みている.スキャンウィンドウとよばれる地域の隣接関係により無向グラフを定義し,そのグラフをコーダル拡大することによりマルコフ性が適用可能な形に持ち込むことを試みている.本年度は,国立保健医療科学院により公開されているデータについて,隣接グラフを求め,それをコーダル拡大するプログラムのプロトタイプを作成した.その結果として,この問題で実際的に必要となる多重積分(和分)の次数を見積ることができた.
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Research Products
(1 results)