2011 Fiscal Year Annual Research Report
各々のマイクロアレイによるエクソン毎の遺伝子発現データの絶対量化技術の開発
Project/Area Number |
21500292
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Research Institution | National Institute of Health Sciences |
Principal Investigator |
相崎 健一 国立医薬品食品衛生研究所, 毒性部, 第一室長 (40322086)
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Keywords | アルゴリズム / 生体生命情報学 / マイクロアレイ |
Research Abstract |
mRNAの測定に関しての現状では相対的変動のみが把握可能であり、エクソン用マイクロアレイ(以下ExA)もその例外ではない。これは毒性学が頻繁に必要とする網羅的なバリアント解析の大きな障害となっているため、各エクソンの発現量を細胞一個あたりのコピー数として精密に絶対測定する研究を実施している。平成22年度までに、ExAにおける誤差が、核酸配列に依存するプローブとターゲット間の結合係数の差異だけでなく、核酸配列の部分的一致によるクロスハイブリダイゼーションの一種の半特異的ハイブリダイゼーション(以下、SSX)にも起因している可能性を見いだし、ExAのSSXを配列情報を基にin silicoで補正することでこの問題が解決する方向性を明らかにした。平成23年度は、特許出願済みの3'Expressionマイクロアレイ(以下3A)を対象としたin silico SSX補正技術を参考にして、ExAにおけるin silico SSXの補正を試みた。全プローブ配列の総当たり比較を行って類似配列を抽出した上で、プローブ毎に補正係数の初期値を計算した。次に実際のExA測定データを用いて学習アルゴリズムによる補正係数の最適化を試みたが、mRNAの3'側領域のみを対象とする3Aと異なりExAは全遺伝子領域を対象とするため、プローブと半特異的に結合する領域が極めて多く、SSX発生率推計の計算量が過大となって工程を完遂できなかった。そこでExAのプローブ設計上の特徴を活かして疑似的にプローブ数を減少させ、SSX発生率推計の計算回数を省いて計算効率を上げた。さらにエクソン領域情報の確度から計算対象とするプローブを選択し、総計算量を低減させた。これらの結果、ExAにおける計算量を3Aにおける計算量の数十倍まで減らすことに成功し、ExAデータのin silico SSX補正の実用化の目処を付けた。
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Research Products
(4 results)