2011 Fiscal Year Annual Research Report
時空間フィルタリングによるてんかん性異常脳血流検出法の開発
Project/Area Number |
21500295
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Research Institution | The Institute of Statistical Mathematics |
Principal Investigator |
三分一 史和 統計数理研究所, モデリング研究系, 准教授 (30360647)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渡邉 丈夫 帝京平成大学, 薬学部, 准教授 (90409756)
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Keywords | 時空間データ解析 / 異常値検出 / てんかん |
Research Abstract |
平成23年度は、これまでに開発した手法をfMRI以外のデータに適用し、外生変数型自己回帰モデル(NNARモデル)のイメージングデータ一般への適用性の検討を行った。ベンチマークに用いたのは生体賦活を反復計測した膜電位イメージングデータである。各々の計測において生体賦活の前の時間領域でNNARモデルを同定し、その同定したモデルを残りの時間領域に適用し、イノベーションを推定した。すべての計測にこの手順を適用し、賦活前のイノベーションと賦活後のある時刻tにおけるイノベーションの強度を統計検定で評価することにより、生体賦活が生じる時刻とその後の賦活の空間パターンの変化を検出することが可能であることを示した。繰り返し計測が出来ない単一試行のデータについては、時刻tを中心とした適当なwindowを設け、それをスライドさせることにより、時間情報を得ることが原理的には可能である。この場合は時間分解能や検出力は反復計測データの場合よりは劣るものの、生理学的に意味のある賦活の時空間パターンの検出を行うことができた。 外部刺激により生体賦活を誘発する場合は、刺激前は生体賦活が生じていない時間領域として自明であるが、自励的活動の場合は計測装置の他にモニタリングシステムが必要で、それにより賦活が生じた時刻の情報を先験的に得ておく必要がある。そのモニタリングシステムの設定で賦活時刻が変動する可能性があり、モニタリングシステムからの情報をどのように統計モデルに組み込んでいくかが今後の課題である。 一連の研究成果は、生体イメージングの方法論的研究では上位のジャーナルの一つであるIEEE Transactions on Medical Imagingに掲載された。単一試行の場合については、統計数理に掲載が決定されている。
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