2011 Fiscal Year Annual Research Report
セロトニン欠乏モデルマウスを用いた脳内モノアミン調節機構とPTSD発症機序の解析
Project/Area Number |
21500305
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
一瀬 宏 東京工業大学, 生命理工学研究科, 教授 (90192492)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
徳岡 宏文 東京工業大学, 生命理工学研究科, 助教 (10452020)
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Keywords | 脳神経疾患 / 神経科学 / 医療・福祉 / 蛋白質 / 生理学 |
Research Abstract |
我々が世界で初めて作製し解析しているジヒドロプテリジン還元酵素(Dpr)の遺伝子破壊マウス(Dpr-KO)マウスは、脳内セロトニンが野生型の約4分の1にまで低下しており、有用なセロトニン欠乏モデルマウスである。昨年度までの我々の解析からセロトニン低下の一つの原因は、肝臓でのフェニルアラニン代謝が障害されて高フェニルアラニン血症を呈し、高濃度の血中フェニルアラニンが脳へのトリプトファンの輸送を妨害しているためであることを明らかとした。本年度はDpr-KOマウスにおいて、セロトニンニューロン自体の生存や形態に影響が出ていないかを明らかにするために、組織化学的解析を行った。Dpr-KOマウスの脳切片を作製し、セロトニンニューロンの細胞体が存在する縫線核を含む切片を自家製抗トリプトファン水酸化酵素抗体で染色し、セロトニンニューロンの細胞数および形態について検討した。野生型マウス脳を同様に処理して、セロトニンニューロンの細胞数を吻側から尾側までKOマウスと比較検討した。その結果、両者に大きな差がないことが判明した。また、セロトニンニューロンの細胞体の大きさや突起の形状においても大きな差は認められなかった。以上の結果は、Dpr-KOマウスにおいてセロトニンニューロンの発達や分化に大きな影響は現れていないことを示唆した。さらに、他のうつ病モデルマウスで観察されている海馬歯状回神経細胞の幼若化がDpr-KOマウスにおいても生じているかについて、未成熟神経細胞のマーカーであるカルレチニンの抗体を用いて検討した。その結果、Dpr-KOマウスではセロトニンが顕著に低下しているにもかかわらず、海馬歯状回神経細胞の幼若化は起きていないことが判明した。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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