2009 Fiscal Year Annual Research Report
覚醒状態及び覚醒系ニューロンに対して睡眠中枢が果たす生理的役割の解明
Project/Area Number |
21500307
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Research Institution | Fukushima Medical University |
Principal Investigator |
香山 雪彦 Fukushima Medical University, 医学部, 教授 (30035224)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高橋 和巳 公立大学法人福島県立医科大学, 医学部, 講師 (90325952)
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Keywords | 睡眠 / 覚醒 / ラット / 電気刺激 / ニューロン / ユニット記録 |
Research Abstract |
無麻酔のラットで脳内微小電気刺激実験を行った。ラットに慢性実験用の手術を施し、回復後、脳定位固定装置の中で睡眠・覚醒サイクルを繰り返すようになるまで慣れさせた。脳内電気刺激に用いる電極は先端ができるだけ小さいものになるよう特注し、現在もより良くなるように改良中である。結果としてまだ完全にまとまってはいないが、前部視床下部の視索前野腹側刺激により、脳波の同期化など睡眠の兆候が誘発された。まだ予備実験の段階であるので、今後は刺激条件等をシスラマティックに調べるが、できる限り刺激を局所に限定して、部位特異性を明らかにしたい。詳細な部位特異性が明らかになれば、以前に記録した当該部位のニューロン活動と関連して重要な知見が得られると期待される。また、後部視床下部のオレキシンニューロン、結節乳頭核のヒスタミンニューロン、青斑核のノルアドレナリンニューロン、外背側被蓋核のアセチルコリンニューロンなど覚醒ニューロン群の単一ユニット活動記録や免疫染色による記録部位の同定の予備実験も行い、次年度の本格的な記録実験に向けて準備が整いつつある。この実験では、脳波や筋電図など睡眠・覚醒状態の指標の変化のタイミングを評価する必要がある。本年度はこの点についても必要な解析システムの構築などを行い、ある程度達成することができた。Bicucullineなどの薬物投与についても、システムの構築と共に予備的な実験を行い、実験手法を確認した。
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