2011 Fiscal Year Annual Research Report
SDS-FRL法による膜分子定量的局在解析法の技術基盤の強化
Project/Area Number |
21500311
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
深澤 有吾 名古屋大学, 医学系研究科, 准教授 (60343745)
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Keywords | 凍結割断レプリカ / 電子顕微鏡 / 分子局在 / 細胞膜 |
Research Abstract |
凍結割断レプリカ法は、生体膜の3次元的な微細構造を解析するために開発され、1970年代頃に盛んに用いられた形態観察法の一つである。しかし、観察部位の同定や構造と機能の関連付けが困難であることから近年では殆ど利用されていない。ところが、レプリカ膜面に生体分子(脂質、蛋白質、糖)が保持されており、界面活性剤(SDS)による前処理と免疫金標識とを組み合わせることで、膜分子の局在解析法として有用であることが報告された(Fujimoto, 1995)。そこで、この方法を脳組織の局在解析に応用し、従来法に比べ高い検出効率を持ち(Tanaka et al., 2005)、既存法では検出できなかった膜ドメイン上の分子局在までも検出できることを明らかにした。これらの成果から、この方法の有用性は国内外に認められ、研究分野を間わず多くの研究者から共同研究や技術協力の依頼を受けており、その基本的な手法に関しても発表を行ってきた(深澤・重本, 2006, Fukazawa et al., 2008)。しかし、この方法を適用できる分子種は細胞膜上に発現する分子の中でも限られたものでしかないことを経験してきた。そこで本研究では技術基盤の改良と強化を図りこの技術の応用範囲を拡大することを目指した。その結果、レプリカ前処理法の検討や感度の向上を経て、低密度に発現する標的分子の解析や細胞膜内葉に分配される分子に対する解析も信頼性良く定量的に行えるようになった。加えて、取得した電子顕微鏡画像からより多くの、また、正確な情報を得るために、新たな画像解析法についても検討した。
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Research Products
(5 results)