2010 Fiscal Year Annual Research Report
| Project/Area Number |
21500314
|
|---|
| Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
|---|
Principal Investigator |
小出 哲也 独立行政法人理化学研究所, シナプス分子機構研究チーム, 研究員 (30247837)
|
|---|
| Keywords | 神経回路 / 嗅覚 |
|---|
| Research Abstract |
動物の本能行動すなわち摂食、生殖、忌避行動にとって匂いの情報は欠かせない情報の一つである。魚類を用いた嗅覚研究は、その鋭敏な嗅覚を利用して古くから行われており、アミノ酸、胆汁酸などは、誘引行動を、魚の皮膚抽出物質は忌避反応を引き起こすことが知られている。しかしながら、匂いの入力からその出力に至る神経回路についてはほとんど分かっていない。近年、注目されているモデル動物ゼブラフィッシュにおいても、これら匂い分子と嗅覚行動を網羅的に詳しく調べた研究はない。そこで本研究では、これまで魚類の嗅覚応答に関わることが報告されている各種匂い分子(アミノ酸、胆汁酸、核酸、ステロイド、アミン類)を水槽に投与した際に引き起こされる嗅覚行動を解析し、好き・嫌いの嗅覚行動に関わる匂い分子を同定すること、さらに、嗅覚神経系特異的なGAL4系統を作成し、行動学的アッセイ・神経活動イメージングの二つの手法を組み合わせた解析を行ない、特定の嗅覚行動を発現させる嗅覚ニューロンを同定し、その機能を明らかにすることを目的とする。今年度は、新たに嗅覚神経系特異的にGAL4を発現する系統を複数樹立することができ、現在GAL4発現細胞の同定、解析を進めている。さらに、好き・嫌いの嗅覚行動を引き起こす匂い分子に応答する嗅覚ニューロンの同定のための神経活動イメージングの手法を確立した。現在、UAS:G-CaMP2といった神経活動イメージングプローブを発現するゼブラフィッシュ系統を複数樹立していおり、これらのシステムを用いて様々な匂い分子に応答する嗅覚神経回路の同定を目指し、解析を進めている。
|
