2010 Fiscal Year Annual Research Report
視覚剥奪が異感覚皮質に惹起する領野間神経回路の変化
Project/Area Number |
21500316
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
蒋 斌 独立行政法人理化学研究所, 大脳皮質回路可塑性研究チーム, 研究員 (30446520)
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Keywords | ガンマアミノ酪酸 / 抑制性シナプス / 大脳皮質 / 視覚野 / 発達 / 内因性カンナビノイド / 視覚剥奪 |
Research Abstract |
視覚剥奪が大脳皮質神経回路の発達に及ぼす影響を解明する第一段階として視覚野2/3層のGABAシナプスの発達を調べたところ、視覚剥奪によって発達が遅れることやその発達には内因性カンナビノイドが関与していることを昨年見出した。本年度は視覚野4層のGABAシナプスの発達でも同様であるかどうかを調べた。また、内因性カンナビノイドの関与の有無を確実に調べるため内因性カンナビノイド受容体(CB1 Receptor、以下CR1Rと略)のノックアウトマウスも使用した。その結果、以下の知見を得た。 1、CB1Rの作動薬であるWIN55,212-2(WIN)を生後14日から21日のマウスの視覚野切片標本に投与したところ2/3層ではGABA作動性の抑制性シナプス後反応(Inhibitory Postsynaptic Currents,IPSCと略)は有意に抑圧されたが、4層から記録したIPSCではそのような抑圧は全く見られなかった。 2、CR1Rノックアウトマウスでは、2/3層でIPSCの振幅が対照の野生型マウスに比して小さいなどGABA作動性シナプスの機能発達に遅れが見られた。一方、4層ではIPSCの振幅などは対照マウスと有意な差がみられなかった。 3、以上、2/3層における抑制性シナプスの機能発達には内因性カンナビノイドが関与しているが、4層の抑制性シナプスには関与していないこと、この内因性カンナビノイド関与の有無が機能発達速度や視覚剥奪に対する感受性の相違に関係していることが示唆された
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Research Products
(1 results)